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日刊サイゾー トップ > カルチャー > 本・マンガ  > 46品の“作りたくなる”海軍レシピ
歴史を知り、その時代を味わうことができる本

膨大な情熱と調査が生んだ、作りたくなるレシピ46品『海軍さんの料理帖』が誕生するまで

■実践によって歴史を体感することのススメ

 レシピをもとに実際に料理をつくる実用書として使ってこそ、読者は本を購入した意義を感じるだろう。なぜなら、ここに記録されたレシピを試すのは、単にうまいものを作るのではなく、五感で当時を味わうことになるからだ。
カルチャー
 また、間宮の話に戻るが、収録されている間宮のアイスクリームのレシピでは、卵が使用されていない。ここにも意味がある。

「当時の日本の卵は、現在よりもサルモネラ菌の保菌率が高く、生では食中毒を起こしやすかった。だから、熱帯で活動する間宮では、アイスクリームに卵を使わなかったんです」

 文字で読むだけなら「ふうん」で終わってしまう。けれど、実際に作って食べてみたらどうだろうか。当時を感じ、現代のアイスクリームとの味の違いを知ることもできる。

 何より「同じものを食べている」という行為は、様々な方向へ思いを広げていくはずだ。

「海軍料理というと難しいと思われる人もいます。でも、少なくとも下士官や兵にむけた食事は短時間で大量に作る給食スタイルなんだから、誰だって作れる程度に簡単なレシピなんですよ」

 私も取材から、原稿を書くまでの数日間の間に、初めて知ったいくつかの料理を試した。とりわけ、ホワイトシチュー素麺のうまさには感激した。

 趣味の一つとして、普段の食事のバリエーションとして海軍料理が、多くの人に愛されていけばよいなと思う。
(取材・文=昼間たかし)

『海軍さんの料理帖 明治~昭和まで歴史で辿る日本海軍レシピ46品』
http://hobbyjapan.co.jp/books/book/b307946.html
スタジオゴンドワナ
http://gondwana.biz/

最終更新:2017/09/23 21:00
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