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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 書店をつぶしたのはAmazonか?
【出版販促コンサルタントに聞いた 前編】

書店が6000店も減少している! 懐かしの「ロードサイド書店」をつぶしたのはAmazonか? 

■「Amazonランキング1位」は操作されている?

――山本さんから見て、Amazonのいい点はどこにあると思いますか?

山本 利用者にしてみればいいサービスですよね。品切れはなく、届くのも早いですし。マーケットプレイスでの古本の販売も充実していますよね。

――マーケットプレイスで、1円で販売されている本はどうやって利益を確保しているのでしょうか。

山本 あちらは送料が一律で257円ですよね。安い配送サービスを利用し、その差額を得ているのでしょう。ただ、当然Amazonも手数料を取るでしょうから、1円本の利益は相当薄いでしょうね。

――Amazonは本別に売り上げのランキングがついていますが、1位を取ると「ベストセラー1位」のタグが付きます。そのタグやランキング上位の実績欲しさに著者が本を買い占め、ランキングを操作することもあるとも聞きますが……。

山本 一人の方が100冊買っても1カウントにしかならないようですね。「操作」するなら相当大掛かりにやらないといけないでしょう。

――この「ベストセラー1位」は効力のあるものなのでしょうか?

山本 かつては効力があったと思いますが、今はさほど、という感じですね。内情をわかっている消費者も増えてきましたから。

■90年代の日本の郊外の風景「ロードサイド書店」は絶滅する?

――書店は上場企業もありますが、最新年度の決算を見ると文教堂が赤字、三洋堂も前年よりも営業利益を落としています。

山本 三洋堂さんは愛知に本社のある書店さんで、いわゆる「ロードサイド書店」の走りですね。

――東京など車なしでも生活できる都市圏の人にはピンとこないかもしれませんが、私は地方の郊外出身なので「ロードサイド書店」にはグッとくるものがあります。90年代くらいから、地方の郊外にはロードサイドに大型の書店が増えましたね。ネットも普及していなかった時代に、地方でも「文化」を感じる空間でした。

山本 ロードサイド書店は減ってきてしまいましたね。文教堂さんもかつては神奈川近郊でロードサイド店を多く展開していましたが、今は「アニメガ」という店舗形態に力を入れています。アニメガではアニメや関連グッズに注力しており、場所もロードサイドではなく、駅チカだったり、駅ビルのテナントに入っていたりと、路線転換しています。

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