“モノノフ”作者がドルヲタの悲哀を描くマンガ『堂々とアイドル推してもいいですか?』小城徹也氏インタビュー
#アイドル #マンガ #インタビュー #コミック
――今作では、「まだ描きたいことがある」という終わりになっていましたけど、具体的には今後どんなことを描きたいですか?
小城 ドルヲタあるあるでいったら、まだ山ほどネタがあるので、それは描いていきたいです。あとは、「会社バレ」とか「親戚バレ」みたいなのは面白いかなと思います。主人公を苦しめる展開にしたいので(笑)。
やっぱり、“アイドル”というよりは“アイドルヲタク”を描きたくて。今Twitterに、『ガチ恋40』っていうアイドルにガチ恋したおっさんのマンガをアップしています。アイドルのものは今までもありましたが、アイドルヲタクものっていうのはあまりないので、そっちの方が自分には向いてるのかなと。
アイドルや、アイドル運営目線のものも描いてみたんですけど、あまりピンとくるような感じじゃなかったんですよね。自分はドルヲタの知り合いが多くて、そっちの方が合ってるのかなと感じているので、その方面の方に喜んでもらいたいなと思っています。
――このマンガを通して伝えたいことは何でしょうか。
小城 やはり、世間的には、ヲタクに対する偏見があるじゃないですか。そういうのがなくなったらいいですよね。
――ただ、ちょっとした後ろめたさって、逆に楽しみが増幅される感じもありますよね。
小城 ちょっとしたところだったらいいですよね。「離婚届がどうの……」みたいなヘビーな話も聞いているんで、一概には言えませんが(笑)。
――小城さんから見て、「アイドルとヲタク」の関係性とは?
小城 キレイに言うと「心の支え合い」じゃないでしょうか。今作品でも、単に「この子カワイイな!」という理由ではなく、心を病んでいる時に偶然目にしたり、耳にしたことがきっかけでファンになる過程を描いています。実際に、そういったきっかけでファンになったという話はよく聞きますしね。
――“ドルヲタの良さ”は何だと思いますか?
小城 「いい意味で変わった人はいるけど、怖い人がいないところ」ですかね。初対面でも接しやすいです。もう、初めての現場に行くと、アイドルよりヲタクを見ちゃうくらい。すごい奇抜な格好してる人もいたりして(笑)。
――最近のアイドルで、面白いなと思う子はいますか?
小城 「アイドルネッサンス」の石野理子ちゃんのTwitterは面白いですね、尖ってて(笑)。アイドルもキャラが被るくらいだったら、ありのままの自分を好きになってもらう方がいいと思っているんじゃないかと思います。他には「notall」と「きゃわふるトルネード」ですね。本を書かせていただいたりもしてますし、きゃわふるトルネードのかれんちゃんのお父さんがドルヲタなんですよ。お話もしたんですけど、「今度そういうマンガ描いてよ」と言われちゃいました。
――最後に、改めて今作の紹介をお願いします。
小城 やはり、好きなことをやっていけるのは一筋縄ではいかないということを知ってほしいです。偏見もありますし。でも、やっぱり好きなことはやっていった方がいいと思いますよ。くじけずに頑張って欲しい、そんな気持ちを込めたマンガです。
* * *
インタビューを通して、「アイドルヲタクのあるある」を描いた作品ながら、小城さんのアイドルに対する思い、アイドルヲタクに対する思いがあふれた作品であることに、あらためて気付かされた。
アイドルファン、そしてアイドルファンの気持ちを知りたい人には必読の一冊であろう。
(取材・文=プレヤード)
■『堂々とアイドル推してもいいですか?』
著 者:小城徹也 Twitter:@kojotetuya
出版社: 株式会社KADOKAWA
価 格:580円(税別)
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