プロボクシングのドーピング問題で“メキシコ産牛肉”に大打撃!? 現地業者に聞くと……
#ボクシング #格闘技
ボクシングのドーピング問題を受け、メキシコ産牛肉の購入を避ける意向を示す人々が増えている。8月15日に行われたプロボクシングのWBC世界バンタム級タイトルマッチで、山中慎介を4ラウンドTKOで下し王座を奪取した新王者のルイス・ネリ(メキシコ)が、試合後のドーピング検査で陽性反応が出ていたことが発覚。ネリの代理人が「食べた牛肉に薬物が混入していた」と主張したからだ。
検査は来日前に専門機関が実施したもので、主に家畜の筋肉量を増やすための成長促進剤が検出された。これを人間が摂取した場合、心拍数が速くなったり、気管支が広がる効果があって、過去にスポーツ選手の悪用例もある。
一説には「アメリカで輸出用の牛肉に使用され、検査の緩いメキシコでの流通が知られている」ともいわれることから、ネリ側の弁明となったわけだが、このニュースを見た日本人が「メキシコ産牛肉は怖い」と感じているのだ。
日本では過去のBSE問題で輸入肉全体への不信感が広まったのだが、最近はスーパーマーケットのほか、牛丼店やレストランなどでメキシコ産牛肉を見かけるようになっている。食肉を扱う業者によると「メキシコ産は日本で流通する牛肉全体の2%ほどの量ですが、1980年代から輸入され90年代の輸入自由化で増加、BSE問題のときアメリカ産に代わるものとして注目されてきた」という。
「2004年、EPA(経済連携協定)でさらに日本への輸出に本腰となり、メキシカンビーフ輸出協会は昨年、対日輸出5%増を目標に発表しています。7月末、冷凍牛肉に緊急輸入制限が発動すると、アメリカ産やカナダ産を使ってきた牛丼の松屋やステーキのけんもメキシコ産への転換を検討しているとしました」(同)
普及に追い風が吹いていたメキシコ産牛肉だったわけだが、ボクシング協栄ジムの金平桂一郎会長はネリ側の主張に対して8月26日、Twitterで「これが本当なら、メキシコ産の牛肉は食べてはいけない事になる。メキシコ遠征などとか、仮にメキシコ産の牛肉が一般家庭に出回るとしても日本人は買わないですね」とした。
スポーツ界で、ドーピングの危険性からメキシコ産牛肉に“待った”をかけた例は過去にもある。アメリカのプロフットボール「NFL」は昨年、選手に中国とメキシコ産の肉を食べないよう通知。その理由が筋肉増強剤の注入だった。NFL側によると、大量摂取した場合、動悸、頭痛、めまい、神経過敏、嘔吐などの副作用があり、これは加熱調理しても影響が残るとしている。
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