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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 5.2%自己最低の『僕やり』

5.2%自己最低の『僕たちがやりました』は、火曜ゴールデンでなんてものを見せるのか! だがそれがいい!!

■そしてパイセンは父親に会いに行く

 この物語の根幹にあるのは、パイセン(今野浩喜)の金です。トビオ、伊佐美、マルがパイセンと仲良くなったのもパイセンの金のおかげですし、爆弾もパイセンの金で作りました。湯水のように、銀行に金が振り込まれるパイセン。パイセンはそれを、顔も知らぬ父親の愛情の証だと理解していました。ニセモノの真犯人を出頭させて自分を罪から解放してくれたのも、父親の愛情ゆえだと。

 しかし、事件を捜査していた刑事・飯室(三浦翔平)によれば、どうやらそうではないようでした。父親の輪島(古田新太)は、闇社会のドンであるがゆえ“殺人犯の父親”であることが不都合であり、事件をもみ消したのも単に利己的な理由だというのです。

 いてもたってもいられなくなったパイセンは、父親を見つけ出して問い詰めます。

「俺のこと、愛してますか、お父さん?」

 しかし輪島は、「誰これ」と言いました。顧問弁護士(板尾創路)に確認して、ようやくそれが13番目の愛人の子だと理解します。事件のもみ消しも、金の振り込みも、優秀な弁護士が業務の一環として行っていたことであり、輪島自身は一切関与していなかったというのです。

 輪島は言います。

「お前が生まれたとき、こう思ったよ。ブサイク、と」

 パイセンのブサイクな顔面が、さらに歪みます。生まれた子がブサイクだったがゆえ、母と父は疎遠になったというのです。そのまま身体を壊して亡くなった母が、このブサイクを「大事にしたい」と言っていたから、金を振り込んでいたと。

 そして、久しぶりに会った我が子を見て、こう思ったといいます。

「とても、ブサイク、と」

 パイセンは、ブサイクだから捨てられた子でした。金だけを与えられたために、金でしか人間関係を築けない。愛を知らない自分は、生きている価値なんてない。

「金はもうええねん! 誰が子どもに、愛、教えてくれるんすか!」

 パイセンが「死んでもいい」とか言い出すものだから、輪島は、じゃあ殺すことにしました。ハンサムな2番目の愛人の子・玲夢(山田裕貴)が、まだ人を殺したことがないので、ちょうどいいから経験を積ませることにしたのです。

「ヘルプミー! ヘルプミー!」

 やっぱり死にたくなくなったパイセンは、玲夢に顔面を踏まれると、その靴をナメナメするという卑屈っぷりで一命を取り留めます。そんなパイセンに、輪島は「秀郎」と名付けた理由を教えてあげることにしました。

「生まれたとき、おまえの顔が“ひでえやろう”だったからだ」

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