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ドラマ評論家・成馬零一の「女優の花道」

「叱られたい」新規ファンが急増!? ももクロの“あかりん”が、女優・早見あかりになるまで

「叱られたい」新規ファンが急増!? ももクロのあかりんが、女優・早見あかりになるまでの画像1スターダストプロモーション公式サイトより

 金曜深夜に放送されている『デッドストック~未知への挑戦~』(テレビ東京系)は、テレ東の深夜ドラマならではのカルトな作品だ。

 物語の舞台はテレビ東京。新人ADの常田大陸(村上虹郎)は、2016年の社内移転の際に発掘された大量の番組素材を整理する部署・未確認素材センターに配属される。

 VTRを整理する日々の中で、常田は心霊現象の映った映像を発見する。常田の同僚で、同センターに配属された女性ディレクター・二階堂早織(早見あかり)は、心霊映像を素材にして新しい番組を制作しようと思い、常田と共に取材を開始する。

 過去の映像を元に怪事件を調査する常田たちは、どんどんひどい事件に巻き込まれていく。物語はもちろんだが、昔のVTRを多用した映像が不気味で、唐突に終わることも多いためか、後味がめちゃくちゃ悪い。

 それも含めて、深夜に見るにはもってこいのホラードラマなのだが、違う意味で大きな見どころとなっているのが、二階堂を演じる早見あかりの存在だ。
 
 二階堂は常田を振り回す“困ったお姉ちゃん”という感じ。色白で目鼻立ちがくっきりしているため、海外のホラー映画で悲鳴を上げる美女のようで、本作のようなホラーテイストの作品とは相性がいい。

 身長は165cmと、今の女優としては決して高くはないのだが、肩幅が広いためか、どのアングルから見ても普通の女優より大きく見える。そのたくましい感じが、それこそ二階堂のような大人の女を演じると見事にハマる。

 二階堂が「あんた、しっかりしなさいよね」と上から目線で常田に言う場面は、見ていて気持ちがよく、ついつい自分も叱られたいと思ってしまう。

 早見の声には迫力があり、いつも怒っているように聞こえるのだが、それが身内に心配されているようで、妙な親近感を抱いてしまう。

 筆者は現在40歳で、2倍近く年が離れているのに、早見を見ていると「お姉ちゃん、ごめんなさい」と、年下の弟のような気分になってしまうのだ。

 これは、彼女がアイドルだった頃から感じていたことだ。

 今ではAKB48と並ぶメジャーアイドルとなったももいろクローバーZが、まだ“ももいろクローバー”だった時代、早見はサブリーダーとしてグループを支えていた。

 リーダーの百田夏菜子を筆頭に、ももクロは子どもっぽさが前面に出ていたアイドルグループだったのだが、そんな中、一人だけ大人っぽい雰囲気を漂わせていたのが早見だった。

 今、当時のライブ映像を見返すと、子どもの中に一人だけ思春期の少女がいるみたいで、そのアンバランスな立ち位置が彼女の魅力だった。

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