名古屋で拳銃立てこもり逮捕のイタリア人「大麻解禁運動家」だった?
#事件 #大麻
名古屋市のマンションで、拳銃を持って立てこもった53歳のイタリア人・メリス・カルロ容疑者が逮捕され、自室からは大麻と見られる植物片が押収されていたことが伝えられた。
このイタリア人については、詳しい素性がわかっていないが、市内の繁華街では「大麻の解禁運動に参加していた」という情報が聞かれた。
「名古屋中心に大麻解禁運動をしているレゲエダンサーの女性が、逮捕されたイタリア人と一緒にいるところを目撃されていたんです。でも、イタリア人が逮捕された途端、彼女は『あれは人違い』って言い出しました。名前もメリスって呼んでいたので同一人物だと思うんですけどね」(女性を知るクラブ経営者)
カルロ容疑者は8月23日、自室ベランダで銃を片手にわめき散らす騒ぎを起こし、自室に約3時間立てこもった末に身柄を確保された。尿検査の薬物反応は陰性だったが、大麻所持の疑いもかけられている。また、真上に向かって2回発砲した疑いも出ている。
「こんな騒ぎを起こした奴と関係していたと知れたら、大麻解禁運動がまた後退するので、女性は他人の振りをしているのかもね」(同)
日本では大麻に関しては使用ではなく所持が法律で禁じられている。一方、諸外国では一定の制限を設けて合法である国も多く、昨年、アメリカでは複数の州で解禁となった。
そのひとつのカリフォルニア州の過疎地では大麻リゾートの開発が進んでいて、企業が農業用地を買い取って、ホテル、レストラン、スパなどを併設。この大麻バブルはゴールドラッシュになぞらえ、グリーンラッシュと呼ばれているのだが、これに反対する声も決して少なくはない。
世界的には解禁傾向にあるのは確かだが、その反対派の声も根強く全面解禁している国はごく一部で、しかも医療用など用途が限定されているケースがほとんどだ。
日本ではこの医療用と嗜好用の差があまり理解されていない部分もあるが、医療用途は大麻解禁派の大義にもなっている。
しかし、大麻問題に詳しいジャーナリストの青山智樹氏によると「日本ではまず解禁なんてことにはならない」と断言する。
「日本では公権力が規制強化の志向にあって、いまやタバコですら対象になっていますから、大麻の解禁は国会で議論にすらならないのでは。もともと大麻を麻薬の一種として使う連中にとっても、ダウナー系な麻薬である大麻は不人気で、アッパー系の覚せい剤の方が流行している傾向があります。麻薬ではありませんが、このアッパー系の嗜好品で合法なのが酒で、アルコールは大麻よりはるかに効果は強力。ビジネス的にも政治は庶民をこちらに誘導しておきたい狙いがあるんです」(同)
大麻解禁の運動をしている側は、あくまで日本で医療用使用を主張しているものだが、ある解禁派の運動員は「相模原の大量殺人犯の植松聖が逮捕時に大麻反応が出たり、高樹沙耶の事件などで解禁運動はやりにくくなっている。今回の立てこもり事件も迷惑な話」と話している。
立てこもりイタリア人と実際に関係があったのかを聞くべく、解禁運動をするレゲエダンサーの女性に取材を申し入れたが、「あとで連絡する」と言われたきり、3日待っても連絡はなかった。
(文=片岡亮/NEWSIDER)
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