相方に触発され……“ピン芸人”又吉直樹の新たなる挑戦! 文章とお笑いを融合させた「朗読会」とは?
#お笑い #インタビュー #ピース #又吉直樹
――日刊サイゾーのインタビューでも、ライスさん、「又吉さんに、とてもお世話になった」と話されていました(参照記事)。
又吉 うれしいですね。あの頃ってまだみんな20代だったので、それぞれのコンビの活動も大事じゃないですか。あくまでユニットなんで、「絶景」は。だからメンバーには「コンビやトリオの活動のほうが大事だから、そっち優先してもらってええねんけど、もしも相方に了承してもらえるんだったら、一緒にやってほしい」って伝えました。それでもみんな『やりたい』って言ってくれて。ただね、一番先輩なんですけど、本来僕はそういうみんなをまとめるリーダー的タイプじゃないんですよ。いろいろ考えちゃうんですよ。「俺の言う通りにしろ」みたいなことは言えない……。
――「自分がこれを言ったら、相手はこういうふうに考えちゃうんじゃないか」ということを考えてしまう……。
又吉 そうなんです。「絶景」のグループLINEがあるんですけど、誰かがそこにネタを出して僕が『面白い』って返すじゃないですか。「あれ、こいつのネタを“面白い”って言っちゃったら、ここから全部に俺、“面白い”って言わなきゃバランス取られへんわ」とか思ってしまう(笑)。
――気遣い(笑)。
又吉 今回、みんなが思うそれぞれの“絶景”を舞台でやるんですよ。そのネタが面白いから、いま自分のネタを出すタイミングを完全に見失ってます。
――小説を書くことと、コントを書くこと、やはりギアは違うんですか?
又吉 そうですね。小説はやっぱり長いですからね。途中でやめられないというか、いったん書き始めたら書き終えないといけないじゃないですか。そこが大変ですね。一日で終わるものではないんで、体調が悪い時もあったり、精神的に今やらんほうがええなという時もあったり、その中で仕上げていくので。でも、コントはこれでええんかな? と疑問に感じたら突き詰めて考えてもいいですし、思い切って違うものに変えてもいい。そのへんが違うかもしれないですね。
――小説を書きながら合間にコントを書くとか、逆にコントを書きながら合間に小説を書くとか、そういう同時進行は難しそうですね。
又吉 小説を書きながら合間にコントはできるかもしれませんが、コントを考えてる時に合間に小説は……できないかなぁ。コントは僕にとって日常ですが、小説はやっぱり体力がいるので。仕事部屋として借りているアパートの書斎でずっと新作を書いてたんですけど、書き終わってからその書斎にまだ2回しか行ってないですもん。小説書いてた時期のこと思い出して憂鬱になるから(笑)。 カツアゲされたことのある駅に大人になっても行かれへんのと一緒です。
――(笑)。コントの場合は演じる人ありき……みたいなところもありそうです。
又吉 それがですね……僕が作っているのに、僕が出ないコントができてしまったんですよ。
――そうなんですか!
又吉 これだけ達者なメンバーがいるんで、ほんまは出たいんですよ、出たいんですけど……。コントの配役をメンバーに伝えるとき、「又吉さんも出たほうがいいんじゃないですか?」って誰か言ってくれるかなと、かすかに期待していたんですけど、見事に誰も言ってくれなかった(笑)。僕が出ないコントが生まれてしまいました。
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