11.1%で2ケタキープの『過保護のカホコ』“ブチ切れ”時任三郎に見た「本当の意味でホラー」
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カホコの部屋に入ると、カホコは床にうずくまって、まだ泣いていました。しかし話を聞くと、フラれたショックで落ち込んでいるのではなく、フラれてショックでもう二度とご飯なんか食べたくないと思っていたのに、お腹がぺこぺこになってしまったことが悲しいのだそうです。ママにバレないようにコンビニでオムライスなどを買ってきて食べさせます。そのゴミを捨てようとしているところをママに見つかりますが、特に咎められることはありませんでした。しかし、ママはこんなことを言うのです。
「過保護なんだから、パパは」
こういうとき、パパはパウエル長官の言葉を思い出すのでした。
「大事なのはいつも冷静でいることと親切でいることだ」
冷戦が続く日曜日。部屋にこもりきりのカホコを、ママの実家に連れて行くことにしました。何しろママの方のじいじとばあばは、無条件にカホコを「かわいいかわいい」と肯定してくれる貴重な存在。カホコもそれを自覚していて、ネットで調べた失恋からの立ち直り方に「自分を肯定してくれる人と会って、自信を取り戻す」とも書いてあったので、着いて行くことにします。
しかし、ばあばがなんだか元気がありません。じいじが呼んだママの妹夫婦2組も、ちょっと雰囲気が悪いです。せっかくカホコを元気づけようと思って連れてきたのに……と思っていたら、カホコが「ビールを飲んでみたい」と言い出しました。一杯だけのつもりが、パパも含めてみなさんいろいろ溜まっていたようで、全員泥酔してしまいました。勢い、カホコは酔っ払ったままじいじの家を飛び出していきます。追いかけようにも、カホコは脚が速い!
その晩、カホコは酔いつぶれたまま、麦野くんに背負われて帰宅しました。何があったかわかりませんが、カホコにはどうしても麦野くんが必要なようです。
カホコとママの冷戦だけでも耐えられないのに、パパの実家でも面倒事が。出戻りの妹・教子(濱田マリ)が300万円の借金を作っていて、もう家庭内はボロボロです。パパの中で、危機感が募ります。
「このままだと我が家も、こんなことになるぞ……」
パパ、家族のために一念発起です。恥を忍んで大学に麦野くんを訪ねます。そして、「友だちでいいから、カホコにまた会ってやってくれ」「正直言うと、妻と娘が口をきかずにこのままずっと最悪の雰囲気を続けるのが耐えられなくて」と頭を下げます。
麦野くんは、快く受け入れてくれました。やっぱり、自分は家族の大黒柱なのだ。これからは、家族でなんでもよく話し合って生きていこう。そして、家族を幸せにしてやろう。パパはそう思ったはずです。
しかし、家に帰るとママとカホコはもう仲直りしていました。2人でホームビデオを見ながら、カホコは何事もなかったかのように「ピカソの画集を一緒に買いに行ってほしい」と笑顔を見せますし、ママはママで「そのグラス使わないでって何回言えばわかるの?」とか「明日は夕飯いるの?」とか、こっちを見もしないで言い放ってきます。
ああ、パパ、キレちゃった。
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