ひふみん、梅沢富美男、出川哲朗、城島茂……芸能界に増殖する「老いドル」たち
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■ゆるキャラ・ひふみん
最後は“ひふみん”こと加藤一二三九段だ。
彼の特徴のひとつはやはり、前歯がないことだろう。
その理由は、かつて前歯に義歯を入れたものの、頭の働きがストップし、将棋の戦績が振るわなくなってしまったためだという。
そしていまや、このクシャクシャの「老人顔」と「フガフガ」しゃべりが、視聴者に安心感を与えている。
ちなみに、歯があったころの彼の顔は、精悍そのものである。
今年もアメリカから出稼ぎに来た野沢直子が、彼を初めて見て「何!? この一人ジブリ」と驚いたというが、確かに「ゆるキャラ」的な存在である。
余談だが、時代を作った「歯抜けスター」は、これまでにもいる。
伝説の番組『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)で発掘された素人で、吉田十三(とうぞう)さんという方がいた。福島・郡山出身。当時83歳。「エンペラー吉田」というニックネームで大人気になる。
「偉く、なくとも、正しく生きる!」が口癖。東北訛りで、しゃべるたびに、入れ歯がよく外れるおじいちゃんだった。
番組では、ジェットコースターに乗ったり、肝試しに参加したり、起震車(地震体験車)に揺られていた。今、こんなことをやらせたら、「老人虐待」と訴えられ、BPOに通報されてしまうだろう。
高田純次が、吉田さんが寝ている間に入れ歯をこっそり外し、そのシワシワのおでこにそっと乗せたシーンは、バラエティ史に残る名場面である。
また、横山昭二弁護士もいた。
彼は、オウム真理教教祖・麻原彰晃(松本智津夫)の最初の私選弁護人となった人だ。
麻原被告の接見に行くときにマスコミに揉みくちゃにされ、「やめて~!」などと叫んでいたシーンが話題となり、『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)などのバラエティに出演していたが、彼もまた前歯がなかった。
松本人志に見いだされ、映画『さや侍』に主演した野見隆明さんも歯がなかった。
つまり、歯のないお方はバラエティ的には最強なのである。
その伝統は今も、『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)や『有吉ジャポン』(TBS系)などにも受け継がれている。
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いまや4人に1人が65歳以上という日本。2060年には国民の約2.5人に1人が65歳以上の高齢者という社会が到来すると推計されている。
今後はこうした、「老いていく」ことをセールスポイントにするタレントが増えていくに違いない。新たな「老いドル」の誕生に期待したい。
(文=都築雄一郎)
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