「泥棒猫!」鬼気迫る高畑淳子と仲里依紗のバトル、武井咲の色気に目が離せない『黒革の手帖』第2話
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実は、“黒革の手帖”には、楢林の名前も記されているのですね。東林銀行に脱税用の借名口座を設けているのですが、それを管理しているのが、楢林クリニックで30年以上も看護師長として働き、楢林の愛人でもある中岡市子(高畑淳子)。元子はその市子に、楢林が波子に総額で2億円以上も貢いでいることを密告。そして、ご丁寧にも、波子の住むマンションの住所まで教えます。
嫉妬に狂った市子は、その足で波子の住むマンションに怒鳴り込み、殴り合いの修羅場を演じます。そこへ楢林が駆け付け、結局、市子が捨てられることに。ただ、このまま市子が引き下がるわけもなく、遺恨を残したところで第2話は終了となりました。
さて、今回の感想。前回、武井は前評判を覆すような悪女ぶりを見せ、いい意味で期待を裏切ってくれました。今回はカルネのオープンから月日が経ったということですが、ママ役が板についてきた印象です。放送前に着物姿を披露した際には「貫禄がない」との批判が少なくありませんでしたが、ドラマ内では23歳とは思えない妖艶な色気を発揮。目力があるだけに悪女役がぴったりと合い、特に企み顔をしている時はゾクゾクとさせるような魅力を放っています。
しかし、今回は武井以上に波子役の仲里依紗の演技が秀逸でした。見た目も性格も地味で男に貢ぐ側だった普通の女の子から、楢林に2億円以上も貢がせる悪女へと変身するまでに、放送時間にしてわずか30分たらず。ともすれば性急に過ぎる展開といえたのですが、仲は違和感なく、金の魔力に憑りつかれ、女の武器の使いように目覚めていく波子の内面の変化を、わずか数シーンで表現してみせました。
また、その波子に楢林を奪われてしまう市子役の高畑淳子も、さすがの存在感を示していました。市子は、楢林クリニックがまだ下町のイチ皮膚科だった頃から楢林を支え、美容施術のノウハウや経営法を一緒に考えるだけでなく、身近な世話までしてきました。さらに、他の看護師や事務員たちから“ケチケチババア”と陰口を叩かれようとも気にせず、節約に徹して新病院設立のための資金を蓄えてきたのです。
それを波子にあっさりと横取りされてしまったのですから、怒り心頭に発するのも当然。原作では波子との直接的な対立は描かれていませんでしたが、実際には殴りたくもなるでしょう。「泥棒猫!」というセリフを連呼するのは失笑ものでしたが、髪を掴んで殴り合うガチンコバトルは鬼気迫るものがありドラマを盛り上げていました。
さて、気になる次回。元子は、脱税をばらすと楢林を脅し、波子への出資を止めさせます。それを知った波子が元子を恨み、復讐していく展開になるということで、どんな激しいバトルが繰り広げられていくのか楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)
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