アイドル枠で歌がウマいのはこの人!&自宅で歌わずにできるカラオケ練習法をプロに聞く!【後編】
#インタビュー
アイドルで「歌ウマ」は誰なのか? 「歌がウマい、ヘタとはどういうことか」を、ボイストレーナー、ソプラノ歌手であり『LIVEDAM精密採点DX徹底攻略!!ボイストレーナーとカラオケチャンピオンが教える カラオケ上達最強テクニック これであなたも10点UP!!』(コスミック出版)著者・菅原久美子氏に前編、中編と伺ってきた「ヘタの研究」。最終回となる今回は、集合住宅に住む人もできる「静かなるカラオケ練習法」も聞いている。読めばすぐにカラオケに行きたくなるはずだ。
■プロも行っている「歌わない歌の練習」
――前編中編で、カラオケ屋での事前練習の重要性を感じましたが、一方で家でも練習できると助かりますよね。集合住宅に暮らしていて大声を出して歌えないという人に向けて、おすすめの練習方法はありますか?
菅原久美子氏(以下菅原) 歌わずにできる歌の練習方法は、たくさんありますよ。まずは、音程をハミング(鼻歌)でメロディを取ることですね。ハミングは、しっかり発声をしないと音が出ないんです。
――確かに、ハミングで歌ってみると「フンフンフン♪」なので、歌詞を歌っている時と違い、上手に歌えていない箇所がはっきり自覚できますね。ハミングなら、隣の家から苦情が出るような音量にはならないでしょうし。
菅原 呼吸も大切なので、さしすせその「す」の口で、8拍呼吸を伸ばしてみたり、遠くに飛ばしてみたりなどを繰り返し、筋トレのように体で覚えていくのもとても重要です。呼吸法なら通勤の車の中でもできますよね。マスクをすれば、電車の中でもできますよ。通勤時間を暗譜(楽譜の内容を覚えること)の時間にするのもいいですね。
プロは最初から歌わないんです。まず音楽を聴きながら楽譜とにらめっこをします。そのあとは「言葉」「メロディ」「リズム」を分割して練習するんです。
例えば「さくらさくら」なら、まず「歌詞」で「さーくーらー、さーくーらー」と歌いながら「ここは言いにくいな」とか「ここは大事な歌詞だから大切に歌いたい」とか「ここは次に入るところが早いから、ここの発音は早めにしておこう、など徹底的に歌詞だけをチェックします。
「メロディ」の練習は、楽譜があるとやりやすいですね。ひたすら音程に注目する。「ここは急に上がるな」とか。こちらの練習は歌わずにハミングでもいいので、静かに練習できますよ。
最後の「リズム」は歌詞を使わずに「タカタカタン」と刻みます。例えば「さくらさくら」なら「ターカーターン、ターカーターン」という感じですね。そうしてみて、歌いにくいところはどこか確認する。速い歌なら「ここはすばやく刻むとかっこいいな」なども、歌詞で歌うとと気づきにくいですが、「タカタカタン」と刻めば気がつきやすくなります。
それぞれ練習した後で、音楽を流しようやく歌います。遠回りに見えますが、3つを別に練習した後で歌えば、行き当たりばったりで「さあ歌おう」とした場合よりも、いい結果になりますよ。
――プロは「歌う」ことを細かく分割して取り組んでいるんですね。
菅原 分割練習は「理解を深める」以外に「消耗させない」意味もあります。喉は歌うほど消耗してしまいますので。
■アイドル界の「歌ウマ」はこの人!
――前編では歌がウマい男性、女性歌手を菅原さんに挙げてもらいましたが、いわゆる「アイドル界」において歌がウマい人は男性、女性でそれぞれどなたでしょう?
菅原 男性アイドルなら「NEWS」の手越祐也さんはダントツで歌唱力があると思います。NEWSの歌はもちろん、ジャニーズアイドルの曲以外も上手に歌われています。女性アイドルですと、「ハロー!プロジェクト」の皆さんです。選抜オーディションの段階で歌がウマい人しか残らないんですよね。その中で、さらにトレーニングを積んでいます。ハロプロは、ほかのアイドルとトレーニングの仕方が違うなと思います。
――すっかりカラオケに行きたくなりました。ありがとうございました!
(文=石徹白未亜 [http://itoshiromia.com/])
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