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日刊サイゾー トップ > 社会  > 上海で「お茶試飲詐欺」被害

実録! 中国・上海で「お茶の試飲で8,300円」詐欺被害 現地警察は捜査せず……

 筆者はその夜、ワイロが横行する中国の役人に不正なカネを渡す仲介人のインタビューを試みるも失敗。現地マフィアに連れ出されて狭い部屋に閉じ込められてクレジットカードを奪われ、大金を引き出される被害に遭った。

 そこで翌朝、上海の中心部にある公安(警察)の外灘派出所へ行ったのだが、警察官はなんと「中国語ができないなら捜査しない。日本人は日本の警察へ行け」と言った。同所にはほかにも日本人やアメリカ人、ドイツ人などの詐欺被害者がいて、やはりと言うべきか前述の茶屋詐欺と同じ被害に遭った日本人もいて、英語で被害を代弁してみたが、警察官たちは一様に犯罪被害を捜査する様子がなかった。

 そこで助けを求めるべく、日本領事館に電話をし、被害調書を取ってもらうよう話してもらったが、警察官はなんと「そんな日本人はここには来ていない」とウソをついた。そこで、領事官との通話をつないだまま警察官に携帯電話を渡したのだが、すると警察官は「上海でそんな事件は起こらない。日本人は信用できない。自分の国の警察に行け。おまえはウソつきに見える。中国を悪者にしたいのだろう?」とまで言い放った。

 領事館を通じたやりとりを繰り返し、必死に食い下がると、渋々「待ってろ」と言い放置。2時間が過ぎても何もする様子がないため、文句を言うと「捜査をするには通訳が必要で2週間かかる」と警察官。中国のビザ免除での滞在は14日間までで、明らかに“滞在期限切れ”を狙っての言動だった。

 多くの被害者は早々にあきらめて、観光に戻っていった。長々と食い下がる筆者には、その後も「紙に英語で事件を書け」などの宿題を出しつつも、延々と放置。結局、この日は半日以上もその交渉に費やして夜になってしまい、最終手段として大声で怒鳴ってクレームをしてみたが、警察官は「公安に逆らうなら、帰国できなくなるぞ」と逆ギレ。本当に税関で止められたらさすがに怖いと思い、帰国便のタイムリミットもあって仕方なくその場を後にすることになった。

 現地の人間によると「公安が言う通訳というのは、ワイロを渡す仲介人のことであるケースが多い。ワイロを渡せば事が進んだかもしれないけど、直接は受け取らないから仲介人が不可欠。そうなると事実上、日本人被害者は泣き寝入りがほとんど」という。

 これだけネットが発達していても、いまだにGoogleやLINE、Facebook、Twitter、YouTubeなどが「有害指定」で閲覧できない中国。経済がいくら発展しても、特殊な国であることには変わりない。気をつければ問題なく観光できる都市ではあるが、何かトラブルがあった場合、誰も助けてくれないというのが実態だろう。
(文=片岡亮/NEWSIDER)

最終更新:2017/07/14 11:38
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