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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 「世界パラ陸上」どう見るべき?

視点を変えると見方も変わる――開幕直前『世界パラ陸上』はどう見るべき?

 昨年のリオパラリンピックを経て、パラスポーツとパラアスリートは以前よりだいぶメディアで目にする機会が増えた。ただ、既存のスポーツと比べると、まだまだどう見ればいいのかわからないのが正直なところ。この番組では、中西の友人でありライバル、リオパラリンピック幅跳びの銀メダリストであるステファニー・リードが、こんな言葉でパラスポーツの魅力を語っていたのが印象的だった。

「例えば、腕のない水泳選手が水を切って進んでいく姿には、本当に力強いメッセージがあると思います。そこには どこか“共感”が生まれるからです。人なら誰だって、夢をかなえられないつらさを知っています。そういった意味で、パラリンピック選手には共感しやすい。パラリンピック選手を見ると、それぞれが超えてきた困難が、すぐに見えます。それこそが力強いメッセージだと思います」

 オリンピックで得られるのが驚嘆だとすれば、パラリンピックは共感。そう捉えるだけで、パラスポーツとパラアスリートにグッと接しやすくなるはずだ。

 ちなみに、壇蜜演じる「ナミ」は、事故で右足を切断した、という設定。そんな彼女を通して、こんなやりとりもあった。

風間「最近、元気になったナミを見ていたらなんでもできるような気がして、この年にして、苦手だった泳ぎを克服してみようかな、って」
壇蜜「そういう美談にするところ、大っ嫌いだからね」

 障害者、と聞けば美談に仕立てようとする一部の界隈にこそ、見てほしかった番組だ。

『世界パラ陸上』期間中(7月14~23日)はまた再放送される可能性もあるし、今後、シリーズ化しそうな(というか、するべき)番組だっただけに、機会があればぜひ、多くの方に見ていただきたい。
(文=オグマナオト)

最終更新:2017/07/13 21:00
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