「この声、私生活にも支障があるんですよ……」【ニーコ】“舌ピアス声優”の穏やかで幸福な日常
#声優 #小明 #声優 on FINDER! #宍戸留美
──それまでは自分の声がどんな風に聞こえてたんですか……。
ニーコ それまで、私の中では低めのカッコイイ感じの声で…例えば、米倉涼子さんみたいな?
──(爆笑)!
ニーコ ちょっと、笑わないでよぉ! ホントにそう聞こえてくるんだもん!
──耳か脳にすっごいフィルターがついてる!
ニーコ だから、自分の声はすごく苦手ですねぇ……。もう、私生活にもすごい支障があるんですよ。40度の熱を出して病院に行って「しんどいです……」って訴えてもあんまり伝わらないし、区役所とか、真面目な場所が大変。
──ああ、ファニーになってしまって真剣味が出ないんですね……。
ニーコ だから、声優になってからは、そういうときは声を変えてやってます。電話でタクシー呼ぶときとかも「スミマセ~ン(裏声)」って。
──(爆笑)!
ニーコ ホントに大変なんですよ! でも、声優になったおかげでお仕事をもらえて、つまりお金も稼げて。今はこの声で生かされている。声優になってからだな、自分の声を肯定的に考えられたのは。
──コンプレックス昇華おめでどうございます! そのコンプレックスを経て、叩かれてからも認められ、世界中のアニメフェスで歓迎されるようになったのは感慨深いですね。仕事があって、お金がもらえて、伴侶がいて、子どもも産まれて、海外にもファンがいて……満ち足り感がヤバイな。
ニーコ 幸せですね。うれしい。今突然ボンって消えても笑えるくらいに。幸せ。
──まだ、子どもも育つから……!
ニーコ がはは。それはもちろんよ。あのね、なんだかそんくらい幸せな人生。って思って。消えたくないよ(笑)。私、毎年毎年、1年ごとにどんどん幸せになってるの。80歳くらいでどうなってるんだろう……。過去を見て「あのときに戻りたい」って時期が一切なくって。
──人が一番若くて希望に満ちてる時期に、ニーコさんは読モとバンドで貧乏すぎてレンコン囓ってましたもんね。
ニーコ そう、当時は貧乏生活でバイトも3っつ掛け持ちしてましたねぇ。っていうかなんでそんな身内しか知らないこと知ってんの……? レンコンはほら、腐らないからいいんですよ(腐ります)。人生がゲームみたいで楽しいです。どんどんアイテムが増えていく感じ。
──すごい、私のアイテムは年々減っていく一方ですよ。でも、ニーコさんの場合は、もし声優になってなくても何かしらで食っていけそう。読モ時代はヘアメイクの学校に通っていたのに、ヘアメイクの仕事に就かなかったのはなぜですか?
ニーコ メイクの学校に通っていた頃は、「人を元気にしたい、刺激を与えたい」とは思っていたけど、まだ手段がわからなかったんですよね。まだいろいろと模索中の18歳。その選択肢の一つにヘアメイクがあったんです。人をきれいにして喜んでもらいたいし、自分にプロのメイクができるのも最高じゃないですか(笑)。でも、読モをやってみたら楽しかったし、何よりも自分に合ってたんです。自分の好きなものを誌面に載せると、「見たよ! ニーコちゃんの真似しました!」って、すごくダイレクトに反応が返ってくるんです。そこで、自分がずっとやりたかった「人に刺激を与える」ってことが、「あれ? もうできてるんじゃないの?」って。あと、同時期に表方と裏方を経験できたのも大きいと思います。メイクの学校に通っていると、先生についてアシスタントとして撮影を見学させてもらうことがあるんですよ。たまたま行ったのが、なんかの撮影だったんですけど、そのときのモデルさんは「ちょっと、早くしてよね(激怒)!!」っていう、マンガに出てくるような態度の人で……。私はもう読モをしていたけど、そんな人は見たことなかったから衝撃を受けて、ふと「じゃあ、ニーコ
が出よっかな!」って思っちゃったの。その瞬間、「あ、表方の人にそう思ってしまった私は、もう裏方をやってはダメだ!」って気付いたんです。だから、その撮影に行ったのもまた一つの転機でもあったなぁ、と今では思います。
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