デヴィッド・リンチ『ツイン・ピークス』が26年ぶりに復活! 見逃し厳禁のリバイバル作品3選
#海外ドラマ #すごドラ!
いま、日本ではマンガ作品の実写化が次々と制作されているが、何かが当たればそれに続けとなるのはアメリカも同じ。そうした中でひとつの流れになっているのが、人気シリーズのリブートやリバイバル化だ。日本でも一世を風靡した『24-TWENTY FOUR-』が復活して以来、次々と人気作品が復活しているアメリカTV界。中でも注目を集めたのが、90年代にヒットした『ツイン・ピークス』の復活だ(7月22日より、WOWWOW独占放送)。主役のデイル・クーパー捜査官役のカイル・マクラクランやローラ・パーマー役のシェリル・リーら主要キャラクターからサブ・キャラクターまで多くのオリジナル・キャストが再登場することに加え、ナオミ・ワッツら豪華新キャストも登場するとあり、制作のニュースが流れるや、世界中のファンが熱狂。まさに待望の新作といえる。
もっとも、当時の人気をリアルタイムで知るのはアラフォー以上が大半だろう。鬼才デヴィッド・リンチとマーク・フロストが手掛ける本作のオリジナル版は、米ABC局で1990年に放送開始。カナダ国境にほど近い田舎町ツイン・ピークスを舞台に、16歳の女子高生ローラ・パーマー殺人事件をめぐるミステリーを描いた本作は、デヴィッド・リンチらしい独特で奇妙な世界観でもって、他の犯罪ドラマとは一線を画す仕上がりになっている。
その復活版である『ツイン・ピークス The Return』はオリジナル版終了の25年後が舞台となるが、オリジナル以上にリンチ節が炸裂。本来なら、ある程度、筋道立てたストーリーラインをざっくりと紹介するのだが、『ツイン・ピークス The Return』に関しては、それが難しい。通常、リバイバル作品というのは“オリジナル版を見ていなくても楽しめるけど、オリジナル版も見ていたらもっと楽しいよ”という作りがスタンダード。しかし『ツイン・ピークス』に関しては、“オリジナル版を見ていないとわけわからん、しかしオリジナル版を見ていてもやっぱりわけわからん”という作りなのだ。
それでもここでオススメするのは、そのわけのわからなさこそ、このドラマの醍醐味だから。ストーリーがどこに着地するのか、どこに連れて行かれるのかわからないからこそ、この奇妙な世界に引き込まれ、1話見るごとに誰かと話したくなってしまう。ドラマの中にはこれまでのリンチ作品の味わいが凝縮されているので、リンチファンにはそれだけでもたまらない魅力になるはずだ。
個人的には、できればオリジナル版もチェックした上で、梅干しをぶっ刺した木(この説明だけで、もはや意味不明だ)が登場した時の“なぜこうなった感”を味わってほしい。少なくとも、これだけたくさんのドラマが制作される時代になっても、これほどぶっ飛んだ作品を作れるのはリンチしかいないだろう。
今回は『ツイン・ピークス The Return』だけでドラマ3本分くらいの濃厚さなのだが、わけのわからないドラマだけでなく、ある意味でスカッとわかりやすいリバイバル・ドラマとして『プリズン・ブレイク シーズン5』(Amazonプライム、U-NEXTで配信中)もオススメしておきたい。
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