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日刊サイゾー トップ > エンタメ > テレビ  > 一発屋AMEMIYAが見せた新境地

“一発屋”AMEMIYAの貴重な持ち駒がヒドイことに……『ゴッドタン』の斬新回 

■秀逸なネタを“名刺代わり”にし、トークで笑かしにかかるAMEMIYA

 ただ、このようなエロネタで再び世に出ていくのは不可能だろう。だって、モラルがなさすぎるので。そんな中、新機軸を見せてくれたのは、AMEMIYAだ。彼が今回披露したネタのタイトルは「子作りはじめました」。子種を望む嫁と、長く連れ添った嫁相手にどうしても興奮できない夫の悲哀を表現した一曲である。

「嫁に似てる女優のAV見てイメトレもした ハードル下げるために逆に超熟女ものも見た それでも不甲斐ないわが息子 愛する嫁のためとうとう 環境チェンジはじめました!」

「ラブホ、公園、ビーチ、雑木林 コスプレもお願いした。ナース、CA、喪服、火星人 それでもうまくいかない 焦った俺、手足に手錠して よだれ玉くわえました!」

 さすがのクオリティ。もともと、ネタの内容には定評のあった彼なので、期待通りの出来といえるだろう。

 しかし。今回彼が爆笑をさらったのは、実はトーク部分なのだ。とにかく、テンションがおかしい。妙にゆったりしてる。例えば、司会者のおぎやはぎ・矢作兼や審査員・劇団ひとりとのやりとりが変であった。

***

矢作「AMEMIYAは、あまり下ネタをやりたくなかったっていうことですけども?」

AMEMIYA「んー、……そうですねえ(無言)」

ひとり「なんなの、その間は?」

矢作「大衆演劇の人の間じゃねーかよ!」

AMEMIYA「(ほかの芸人を見て)既婚者の方、多いよね? やっぱりね、だんだん弱くなっていくんですね。やっぱり弱くなっている自分がいるけど、まぁ、奥さんを愛しているんだよな」

ひとり「うるせーよ(笑)」

***

 結果、この回はAMEMIYAが優勝者に輝いた。その勝因は、紛れもなくトーク部分。久しくテレビで見ていなかった彼は、いつの間にか素のトークでのテンションがおかしなことになっていたのだ。

 ある放送作家が「ネタが面白いのは当たり前。ネタを名刺代わりにして、芸人は普段のバラエティ番組でテストされていく」と語っているのを聞いたことがあるが、やはり芸人の生命線は本人自身の魅力なのだろうか?

 そう考えると、自身のヒットギャグを茶化す今回の企画はアリだったのかもしれない。ネット上では「近年まれに見るクズ回」と酷評の嵐であったが、賛否を巻き起こしてこその『ゴッドタン』という気がしないでもない。お笑い、芸人、テレビ、芸……。さまざまな角度から“本質”に迫ってみせた、近年まれに見るほどの有意義な回だったと断言したい。
(文=火の車)

最終更新:2019/03/14 12:59
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