「すべては新喜劇と家族のため!」吉本新喜劇の頭脳・小籔千豊がブレないワケ
#お笑い #インタビュー #小籔千豊
小籔 「性格悪いから使わへん」、これ僕はあっていいと思うんですよ。下をいじめる可能性があるやつは排除する、それは組織のためですよね。だけど「俺の言うことあんま聞けへんから外す」っていうのは、ナシですね。そういう部分でいうと、新座長の(酒井)藍ちゃんなんかは、ゴマすることもなければ、きっとゴマすられることも喜ばない子やと思うんです。組織にとっていいキャスティング、公正なジャッジをしてくれる人材なんじゃないかなと。
――だからこそ、選ばれたんですね。
小籔 そうです。よく人を見てますし、誰が何を言ってるのか、ちゃんと聞いてる。自分自分じゃない感じがすごくしますね。僕は内場(勝則)さんに抜擢してもらって、めっちゃいい役をやらせてもらったんですよ。それがきっかけで、座長にならせてもらったんです。これは藍ちゃんにも言ったんですけど「僕は先輩にいい役をおごってもらった。だから僕は、後輩にいい役をおごらないといけない。藍ちゃんも下におごり返さないといけない」と。藍ちゃんは言わんでもわかってると思いますけどね。
――これからは、周りの引き立て役にも回らないといけない。
小籔 かわいらしいし、太ってるし、見た目インパクトあるし、面白いし……っていうところで座長になって、そこがこの子のいいところだと思うんですけど、僕はやっぱり持って生まれた賢さと公平さがすごいと思うし、それは今後座長として生かされてくると思います。
――たとえば、自分より年上が「部下」になるって、会社などではちょっとやりにくいことだと思うのですが、新喜劇においてはどうでしょうか?
小籔 座長って、いわゆる「上司」じゃないんですよ。僕より(池乃)めだかさんのほうが偉いし、桑原(和男)師匠のほうが偉い。なので、野球でいう「選手会長」に近いんじゃないでしょうか。たとえば巨人の選手会長は長野(久義)ですけど、長野が主将の阿部(慎之助)より偉いのかといったら、そうではない。選手の中心になって若手をフォローしたり、ベテランに声かけたりする役回りですよね。あの感じに似てると思う。偉くなるわけではない分、気が楽な部分もありますけど、大変なことも多い。台本とか、方向性決めさせてもらってますので。
――なるほど。
小籔 だから一番嫌なのは、僕が生まれる前から新喜劇やってる大先輩方を、僕のせいでスベらす可能性があるということなんです。それが本当につらい。全体スベったときに「これは小籔のせいや」って思われてるのが一番つらい。
――そういう苦行を、これから酒井さんも味わっていくということですね。
小籔 今までだったらスベっても「藍ちゃんスベったな」、ウケても「藍ちゃんすごいな」だったと思うんですけど、これからはウケたらウケたで「自分だけでええんか」ってなりますし、スベったらそれこそ「あんなやつが座長でええんか」となる。だから僕らは、心のケアではないですけど、彼女のサポートしてあげなとは思いますね。
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