J1の4チームが格下に敗戦! 天皇杯の“ジャイアント・キリング”はなぜ起こる?
#サッカー #Jリーグ
21日行われた天皇杯2回戦で、番狂わせが相次いだ。
J1のFC東京がJ3のAC長野パルセイロに敗れただけでなく、同じくJ1のヴァンフォーレ甲府が、J3より下のカテゴリーであるJFLのヴァランラーレ八戸に屈した。さらに、J1の北海道コンサドーレ札幌は福島県社会人リーグ1部という、J1から数えると7つもカテゴリーが下のいわきFCに敗れてしまう。
そんな中、最も屈辱的な敗戦を喫したのが、J1のベガルタ仙台だ。なんと大学生チームである筑波大学に2-3で力負け。試合後、仙台は公式インスタグラムに渡邉晋監督の謝罪動画をアップする異例事態となった。
なぜ、このような不甲斐ない結果となったのか? サッカーメディアは「天皇杯には、Jリーグやルヴァンカップで適用される『ベストメンバー規定』がないからだ」などと報じているが、実際のところはどうなのだろうか? 元Jリーグクラブのフィジカルトレーナーに訊いた。
「一番の問題はスケジュールでしょう。Jリーグは12月2日にシーズンが終わるのですが、天皇杯を勝ち進むと12月23日に準決勝、翌年の1月1日が決勝です。つまり、勝てば勝つほど、クラブや選手のオフがなくなる。準決勝まで残れば、決勝というモチベーションでプレーも向上します。ですが、準決勝まではモチベーションを維持しづらい。さらに準決勝に敗れると、『リーグ終了後の20日間のトレーニングはなんだったのだろう?』となります。正直に申し上げると、準決勝まで、ほとんどのクラブや選手たちのモチベーションは高くない。その証拠に、天皇杯で敗れても、監督がクビを切られることはないじゃないですか?」
辛口評論で知られるセルジオ越後氏は、「サッカーダイジェスト誌」(日本スポーツ企画出版社)のコラムで「もしかしたら、各クラブは天皇杯を軽視しているのかもしれない」と記していたが、どうやらその通りのようである。
「もちろん、クラブや選手の問題ではありません。準決勝と決勝のスケジュールを12月より前に持っていくことで、改善できる。ただし、リーグ戦、ルヴァンカップとも並行するので、過密日程にもなってしまう。これは、そもそもJ1のクラブ数の多さが発端です」(前出トレーナー)
今回の番狂わせをJ1の不甲斐なさだけで片付けず、日本サッカー協会とJリーグは、諸々のスケジュールや、そもそものJ1のクラブ数などを見直すべきではないか。
(文=TV Journal編集部)
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