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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > アルピーが伝えるゲームの楽しさ
テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第151回

“にわか”なアルコ&ピースが『勇者ああああ』で伝える「ゲームで遊ぶ楽しさ」

 それでも制限時間残り3分となった15回目の挑戦で、ついに成功。4人は歓喜した。コマンド入力は決して難しいわけではないが、ちょっとしたタイミングで失敗してしまうもの。実際のゲームではそこを多少ミスしても問題がないため、あらためて正確さを要求されると、普段とは違う力が入る。しかも、電流という連帯責任のプレッシャーもかかる。結果、ゲーム上級者ではない彼らは、失敗を繰り返してしまうのだ。見ている方も、いつしか感情移入し、手に汗を握る。で、達成したときに妙な感動を覚えるのだ。

 ほかにも「にわかゲーマー一斉摘発 芸能界ゲーム風紀委員」というコーナーでは、アルピーの2人が「ゲーム風紀委員」となり、ゲームがたいして好きでもないのに、仕事を増やそうとプロフィールに「ゲーム好き」などと書く女性アイドルらをオーディションと称して呼び出し、本当にゲーム好きかを検証する企画。

 実際、「にわか」のアイドルたちがほとんど。それを“摘発”し、追い詰めていくのは痛快だが、そこではアルピーの「にわか」っぷりが浮き彫りになることも。だが、それを逆手に取り、翌週の放送ではネットで批判されたと公言し、間違いを訂正し、仰々しく謝罪からスタートするふざけっぷりも面白い。

「ゲーム芸人公開オーディション」では、ゲームに絡んだネタならなんでもOKというハードルの低さから、“にわか”の粗い芸を見せる芸人が大挙出演。かつての『あらびき団』(TBS系)を思わせる雰囲気が心地よい。

 こうしたお笑い要素が強い企画だけではなく、ゲーム情報要素の強い企画ももちろんある。そのひとつが「ゲーマーの異常な愛情」。ゲーム愛の強い芸人が登場し、人生で最高の一本を紹介するというものだ。

 ここでは、今でもカルト的人気を誇る『リンダキューブ アゲイン』や『鈴木爆発』などが、かなりの時間を割いて紹介された。

 先にも触れた通り、アルピーは決してゲームに詳しいわけではない。けれど、ゲームを知らないわけではない。彼らは現在、30代。物心ついたときからファミコンで遊び、ゲームの成長とともに大きくなった世代といっていい。その世代における標準的なゲーム知識とゲーム愛を持っている。

 だから、マニアックに振れることもなく、メジャーなものだけを扱うわけでもない。ちょうどいいのだ。“にわか”だからこそ伝えられる面白さがあるのだ。

「ゲーム情報」だけを求めるなら、物足りないかもしれない。けれど、『勇者ああああ』が目指し実現させているのは、きっと「ゲームで遊ぶ楽しさ」を伝えることなのだ。
(文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/

「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

最終更新:2019/11/28 19:45
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