朝ドラ『ひよっこ』でブレーク! “天然系ドジッ子”キャラで証明された、松本穂香の破壊力
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NHK連続テレビ小説『ひよっこ』は、奥茨城村出身の谷田部みね子(有村架純)が東京で働きながら、行方不明となった父親を捜す姿を描いたドラマだ。
脚本は岡田惠和。『ちゅらさん』『おひさま』に続き、朝ドラは3本目。
1964年の東京オリンピック前後の時代を描くことで、2020年の東京オリンピックを控えた現代の空気と対峙させる試みや、饒舌すぎて前衛的な表現となっている増田明美のナレーションなど、見どころは多数あるのだが、現時点での面白さは、次々と登場する魅力的な登場人物たちだろう。
特にみね子が上京し、向島電機に就職して乙女寮で暮らすようになってからは、みね子と同じように地方からやってきた女の子が一気に増えて楽しかった。
みね子が乙女寮で同じ部屋になるのは、親友で女優を目指す、背が高い助川時子(佐久間由衣)。勉強に励む真面目な努力家で、通信制の高校で学んでいる秋田県出身の兼平豊子(藤野涼子)。一年先輩で、小柄で体が弱い秋田県出身の夏井優子(八木優希)。コーラス部を指導する高島雄大(井之脇海)と付き合っている山形県出身の寮長・秋葉幸子(小島藤子)。マイペースで食いしん坊のおかっぱメガネ、福島県出身の青天目(なばため)澄子(松本穂香)。
ほかにも、みね子たちを見守る母親的存在である永井愛子(和久井映見)も含め、登場人物がみんなかわいくていい子ばかりなので、アイドルドラマとして優れた作品になったといえる。
もともと朝ドラは、若手新人女優の登竜門としての側面が強く、ヒロインを演じることで成長していく女優の姿を楽しむというアイドルドラマとしての側面が強かった。
アイドルになりたい女の子を主人公にした『あまちゃん』以降は、ヒロインだけでなく主人公の親友や娘などといった脇役にも注目が集まるようになり、吉岡里帆のように朝ドラで脇役を演じた女優が注目されて売れていくことが、もうひとつのシンデレラストーリーとなっている。
『ひよっこ』はその極致で、乙女寮の女の子は誰を主人公にしても朝ドラが作れそうな魅力と物語を備えている。
中でも目を引くのが、松本穂香が演じた青天目澄子である。
澄子は、おかっぱのメガネっ子で福島弁を話すのだが、野暮ったい格好をして方言を話す姿が、逆にかわいさにつながっており、朝ドラヒロインの系譜でいうと、『あまちゃん』の天野アキ(能年玲奈)と『あさが来た』に登場したメガネっ子の“のぶちゃん”こと田村宜(吉岡里帆)を足して2で割ったような、天然系ドジッ子キャラだ。食べることと寝ることが好きで、いつもぼーっとしていて動きが遅く、話し方もゆっくり。
しかも方言なので、何を言っているのかわからないのだが、それがすさまじい破壊力を放っている。青天目という珍しい名字もあってか、人間というよりは「ゆるキャラ」的な存在で、そばにいるだけでみんなが癒やされているのが、見ていてよくわかる。
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