今野浩喜、俳優として──「俺を使うと、センスいいなと思われるんですよ」
#インタビュー #今野浩喜
今野 もうちょっと売れたいなとは思いますけど、めっちゃ売れたいとはあんまり思わないですね。もうこの世界の常識ですが、売れ切ると危ないっていうね。あるじゃないですか。まぁ俺が売れ切ることはないと思いますが、そもそも。
――いい車乗りたいとか、いいところに住みたいとか、そういう欲求は?
今野 デカイものとか高いものを欲しいとは思わないですね。その時その時で欲しいものはありますけど。
――今は?
今野 漫画。
――あとは?
今野 プレイステーションVR。高いですけど、高いけど、高いなって思いながら平気で買えるようにはなりたいですね。
――高いなって思いながら。
今野 この感覚ないとヤバイじゃないですか。指原さんが7,000円の服「安い!」って載せて炎上しちゃう世の中だから。
――今年で芸能生活20年。最後にこの20年の道のりについて、聞かせてください。
今野 芸人始めて1、2年目くらいのときにね、うちの前の社長と話す機会がありまして、これからどうなっていきたいんだっていう。そのときに「モロ師岡さんみたいになりたい」って言ったんです、俺。そしたら社長が「うちはそういうのやってないから」って、クビになりかけたんですよ。でも運よくその社長も亡くなってね、2010年かな。結果的にそういう流れになっているなとは思います。自分が思った方向へは流れてるんじゃないでしょうか。とんでもない紆余曲折ありましたけど。想像を絶する紆余曲折が。
――確かに、とんでもない。
今野 なんだこの道? 私道か? みたいなところを通りながらもね……。
――先ほど「肩書は自意識」ってお話がありましたが、今の今野さんは「自分は俳優だ」っていう、自覚はありますか?
今野 自覚かぁ。俳優ど真ん中だなっていう自覚はあんまりないですね。
――「職業はなんですか?」って聞かれたら……?
今野 今野、ですかね。
――俳優インタビューの最大のやつが……最大のカッコいいやつが最後にきた……。
(取材・文=西澤千央/撮影=尾藤能暢)
●こんの・ひろき
1978年、埼玉県生まれ。高校卒業後、プロダクション人力舎「スクールJCA」に6期生として入学。想像を絶する紆余曲折を経験しながら、2008年頃から俳優としても活動し始め、12年、主演映画『くそガキの告白』で「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」審査員特別賞、シネガーアワード、ベストアクター賞、ゆうばりファンタランド大賞人物部門の4冠を獲得。その後も『下町ロケット』(TBS系/15年)の迫田、『真田丸』(NHK/16年)の与八など、独特の顔面を活かした個性的な役柄で存在感を発揮している。7月スタートのフジテレビ系ドラマ『僕たちがやりました』では、物語のキーパーソンとなる「パイセン」を演じる。
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