卑屈、逆ギレ、責任転嫁……「今もバイトで怒られてる」サブカル界の新星・トリプルファイヤー吉田靖直とは?
#インタビュー
撮影=尾藤能暢
大喜利イベント「ダイナマイト関西」の準決勝では笑い飯・西田幸治と互角に渡り合い、秀逸な「一言あるあるネタ」を発表。テレビ東京の特番『共感百景』では、麒麟・川島明、ブラックマヨネーズ・吉田敬らと共に爆笑を生み、今春には『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)にも出演し、タモリから絶賛を浴びた吉田靖直(30)。このようにバラエティで大活躍している彼だが、お笑い芸人ではない。インディーズバンド「トリプルファイヤー」のボーカルで、意味不明なバイトをテーマにした楽曲「スキルアップ」では「ピーッて 笛が鳴ったんで 一番大きいボタンを押した/天井の穴を塞いでいた弁が開いて 三色のボールがそこから転がってくる」、他人からしたり顔で言われたらイラッとする発言を歌い上げた「SEXはダサい」では「結局 関根勤が一番面白い/本当の実力で言うと 関根勤が一番面白い」と、珍妙な歌詞のオンパレード。
いったい、サブカル界が注目するその才能は、どのように育まれたのか? 本人を直撃した(なお、そのビジュアルは「残念な星野源」とも評されている……)。
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――吉田さんは、バンド「トリプルファイヤー」のボーカルでありながら、『共感百景』や『タモリ倶楽部』など、バラエティ番組にも引っ張りだこになり、注目度も高まっています。
吉田靖直(以下、吉田) 最初、仕事のお話を頂いた時は、『タモリ倶楽部』にしても『共感百景』にしても、かなりテンションが上ったんです。これで人生が変わるんじゃないかと思いました。けど、実際のところ、あんまり変わっていません。まだ、日雇いバイトしていますし……。
――え、日雇いバイト!?
吉田 この前やったのは、化粧品を入れるパッケージをひたすらレーンに置いていくという仕事でした。けど、30分くらいした時に、なぜかパッケージを逆向きに置いてしまっていたんです。そのせいで機械が止まり、上の人から激しく怒られてしまいました……。
――とてもテレビに出ている人とは思えない生活ぶりですね! でも、箱の向きをそろえて置くだけの仕事ですよね? 間違えようがないと思うんですが……。
吉田 人が当たり前にできることが、僕はなぜかできないんです。この日雇いの仕事も、やっているうちにゲシュタルト崩壊みたいになってしまい、何が正しいのかわからなくなってしまった。ただ、人間って普通、1時間に何回か間違えますよね。それなのに、間違えることのない前提で工場は動いている。1回間違えただけで、こんなに怒られるなんて……そっちのほうがおかしくないですか?
――逆ギレ! では、テレビに出るようになって変わった部分はありますか?
吉田 人から少しナメられづらくなったことでしょうか。そもそも僕は、人とうまくコミュニケーションが取れないし、人間としてのレベルも低い。前はバンドでライブに出ても、対バン相手すら僕に興味を持ってくれませんでした。でも、最近は、ようやく人間らしい扱いをしてもらえる機会が増えてきましたね。
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