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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 史群アル仙「ADHDとの付き合い方」
『史群アル仙のメンタルチップス〜不安障害とADHDの歩き方〜』発売記念インタビュー

“昭和漫画”を現代へ受け継ぐ漫画家・史群アル仙が語る、ADHDとの付き合い方

 昭和漫画を現代へ受け継ぐ漫画家・史群アル仙が語る、ADHDとの付き合い方の画像3

――現在、漫画家としてお忙しい日々を送っていらっしゃると思いますが、忙しすぎてパンクすることはありませんか? 

アル仙 執筆量自体は忙しいといえるほどではありませんが、スケジュール管理が苦手で、些細なことでも変化があるとパンクして、パニックになります。その時は、ボスヒコさんに相談し、さらにわかりやすく整理してもらって、助けてもらっています。恥ずかしながら、まだまだ試行錯誤中です。

――アル仙さんにとって、漫画はどのような存在ですか?

アル仙 漫画は私にとって、命と直結しているものです。幼い時から大人になった今まで、人生の相棒でした。対人関係が苦手でも、漫画を通してだとコミュニケーションができました。漫画は私の恋人であり、親友であり、親であり、読者との対話であり、武器であり、目です。

――最近ではADHD関連本が多数出版されていますが、このように世間の関心が高まること、認知が広がることは好意的に捉えられていますか? ADHDという言葉だけが独り歩きして誤解を生んだり、軽く捉えられてしまうのではないかといった懸念もありますが……。

アル仙 正直に言うと、不安です。執筆中に悩むこともあります。知り合いから、「書類1~2枚と少しの問診だけで、ADHDという診断書がもらえる」というウワサを聞きました。ADHDの症状は、パッと聞いたら誰にでも当てはまるようなこともあります。「自分はADHDなんだから仕方ないだろ」と開き直る人や「あなたはADHDなんだから気をつけてよ」という人にも出会いました。また、ADHDという名称は、あくまで生きづらさを取り除くヒントだと思うので、個人の姿をしっかり見た上で診断してほしい。ADHDの認知と共に、当事者が前向きに対応できるアイデアなどが広まっていったらいいなあと思います。

――沖田×華さんの『毎日やらかしてます。アスペルガーで、漫画家で』(ぶんか社)や永田カビさん『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(イースト・プレス)など、ADHDやアスペルガーといった生きづらさを赤裸々に明かした告白系漫画も増えていますが、実際に読まれた本はありますか? 

アル仙 実は、薬局の待合室で沖田×華さんの漫画を読んだのがきっかけで、発達障害、ADHDの存在を知りました。当時、自分はADHDだと思っていなかったんですが、環境は違えど沖田さんの経験と自分の経験が重なることが多くて。笑えるけど笑えない、けど面白い。そして「自由に自分のことを描いていいんだ」と、感銘を受けたことを覚えています。

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