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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『フラ恋』のご都合主義

綾野剛『フランケンシュタインの恋』過去最低6.3%……役者の熱演を裏切り続ける「ご都合主義と雰囲気オシャレ」

 と、ここまで脇役やサイドエピソードばかりの話になってしまいましたが、今回はようやくヒロイン・継実ちゃんにも見せ場が訪れました。これまで継実ちゃんは大したセリフも役割も与えられず、とことん冷遇されてきました。そして今回も、たった1シーンだけで再び冷遇されることになります。

 継実ちゃんは、「もう一度ラジオに出る」と言い張る怪物の手を引いて駆け出し、怪物に「一緒に逃げましょう」と言います。

「森へ帰りましょう、一緒に」

 そして、ずっと怪物の心の支えだったラジオ番組のテーマソング「天草に聞け」を「継実に、聞け」と替え歌にして、怪物と共に生きる決意を明かします。感動的です。二階堂ふみ、ホントにかわいいです。私も、ずっと二階堂ふみと森で暮らしたいと思える素晴らしい芝居です。でも、心配になります。この人、脳の病気でクスリを常用しているはずだし、そもそも森で何を食って生きていくつもりなのか……。

 心配する必要はありませんでした。継実ちゃん、その場で都合よく頭痛くなって倒れちゃいます。こうしたご都合主義も、本作の特徴です。最初から、この脚本家にとって「森で暮らす」という選択肢はないんです。「森で暮らすって言わせても、病気で倒せば進行に異状なし」と決め込んで書いてるんです。

 なんだかね、脚本が芝居を裏切っている感じがヒシヒシと伝わってきて、悲しくなりますよ。特に継実ちゃんに対しては、ちょっと扱いが雑すぎるんじゃないかと思います。川栄李奈が複雑な心情を持った役を与えられてイキイキと演じているのと対照的で、二階堂ふみの女優としての才覚が誤解されてしまいそうなくらいです。

 ともあれ、第2幕は今回だけでおしまいのようです。予定ではあと2話ですが、SFとしてはガバガバのくせに伏線を張りまくっているし、都合よく怪物の記憶も戻ったので、ここからは第3幕の解決編に向かっていくことになるのでしょう。次回は、120年前の怪物とサキさん(二階堂ふみ/二役)を振り返るようです。とりあえず、過去を演じる2人のお芝居だけを楽しみに、ちょうどいいテンションで待ちたいと思います。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

最終更新:2017/06/12 20:00
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