『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』第9話 ヘイヨー! ダメ兄に捧げる妹ラッパーのライム
#テレビ東京 #どらまっ子 #長野辰次 #SRサイタマノラッパー
かっこ悪いということは、なんてかっこいいんだろう。最終回まで残り2話となった『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』第9話だが、今週のIKKUとMIGHTYはいつも以上に超ダサい。周回遅れのドンジリもいいところだ。そんなメンタリティー&コンディションで、クラブチッタのステージに立つことができるのか?
これまで一度も東京に足を踏み入れたことがなかった埼玉在住のほぼニート男・IKKU(駒木根隆介)が、川崎へ行く手前の東京都北区赤羽で途中下車した前回。クラブチッタでのライブまで残り2日、兄タケダ先輩(上鈴木伯周)が「SHO-GUNG」のために作ってくれた新曲を手に入れて盛り上がっていたIKKUとTOM(水澤紳吾)だった。ところが、ひとりシミジミとタバコの煙をくゆらせていたMIGHTY(奥野瑛太)は、かつてパシリをさせられていた極悪系ヒップホップグループ「極悪鳥」の大河(橘輝)、海原(板橋駿谷)たちに見つかり、拉致されてしまう。
MIGHTYが忽然と姿を消したことを気に病む一行だったが、とりあえずカブラギ(皆川猿時)が運転するカブラギ号に乗って会場下見のために川崎クラブチッタへ。青森育ちのトーコ(山本舞香)はクラブチッタの立派さに、「ここでやんの? すっげー!」と素直に驚く。クラブチッタのエントランスに貼られたポスターには、ちっちゃ~くだが「SHO-GUNG」の名前も載っていた。埼玉ではみんなからバカにされまくったけれど、ようやく辿り着いた夢のステージだ。IKKUとTOMは選ばれし者の恍惚と不安に酔っていた。
一行がクラブチッタの前で騒いでいると、そこへくわえタバコで現われたのはクラブチッタのマネジャーである芽衣子(黒沢あすか)。芽衣子が美人であることから目がランランと輝くカブラギ。雪国育ちのおっとりした雪(中村静香)から、都会派の大人の女性・芽衣子まで、ストライクゾーンがやたらと広いカブラギだった。
カブラギの発した「なんで、こいつらを(オープニングアクトに)選んだんですか? 人気も華もないのに」という素朴な疑問に対し、芽衣子はサプライズな答えを用意していた。
芽衣子「たまたま見てたのよ、栃木での野外フェス。イベントとしては滅茶苦茶だったけど、個人的にグッときちゃって。男の友情に弱いのよね」
なんと、芽衣子は『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(12)の怪しい野外フェスに足を運んでいた。IKKUとTOMは栃木在住のラッパー「征夷大将軍」とコラボしたステージに臨み、これから盛り上がるというところでMIGHTYが「極悪鳥」と騒ぎを起こし、フェスそのものを台無しにしてしまった。でも、「SHO-GUNG」が『SR3』で精いっぱい吐いた思いの丈は、ちゃんと伝わる人には伝わっていたのだ。
真剣に願った夢は必ず叶う。ただし、願った本人の思惑とは違った形や意外なタイミングで訪れることになるが。「SHO-GUNG」にとって、芽衣子はまるで『小僧の神様』(by志賀直哉)のような存在だった。女神が埼玉在住のダサ~い男たちにほほえんでくれた。もう、このエピソードだけでお腹いっぱいな第9話です。
一方のMIGHTYはまだ赤羽。「極悪鳥」のアジトに連れ込まれ、血まみれ状態で監禁されていた。鎖で足を繋がれ、逃げようにも逃げられない。今まで叶わない夢からずっと逃げ続けてきたMIGHTYだけど、夢が叶いそうになった瞬間に身動きできない状態に陥ってしまうとは、なんと言う皮肉か。6月10日から藤原竜也&伊藤英明主演の犯罪ミステリー映画『22年目の告白 私が殺人犯です』が絶賛公開中の入江悠監督、MIGHTYパートは思いっきりサスペンスモードに振り切っていく。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事