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HKT48宮脇咲良、AKB48横山由依と雌雄を決す! “アイドル批判”と向き合った『豆腐プロレス』

HKT48宮脇咲良、AKB48横山由依と雌雄を決す! アイドル批判と向き合った『豆腐プロレス』の画像1テレビ朝日系『豆腐プロレス』番組サイトより

 テレビ朝日系『豆腐プロレス』第21話は、チェリー宮脇(HKT48宮脇咲良)がランニングをするシーンからはじまる。休憩のため公園のベンチに腰掛けたチェリー宮脇に、通りすがりの男2人が声をかけてくる。片方の男が握手を求めてくるので、宮脇がそれに応えると、男は宮脇の手首を捻る。宮脇が「痛っ! やめてください!」と怒ると、男らは「チェリーちゃん、本当に強いの……?」「まあまあ、プロレスなんてショーなんだから」と、プロレスを批判するような発言をしてみせるのだった。

 これをフォローするように、アリゲート流司(今野浩喜)は宮脇に語りかける。チェリー宮脇の父、ウロボロス洋平(菅原大吉)も現役時代、プロレスに対する批判的な世間の目と戦っていたのだった。アリゲート流司は、最後に「アイドルも一緒だろ?」と問いかける。

 同ドラマにおいて「プロレスとは何か」という議論がなされる場合、「プロレス」は「アイドル」に置き換えることができると過去のレビューでもお伝えしてきた。

 プロレスとアイドル。この2つの間に強い親和性がある。それは“ガチでないショーだ”と批判を受けている点ではないだろうか。暴露本『流血の魔術 最強の演技』(講談社)で、元プロレスラーでレフェリーを務めていたミスター高橋が告発したように、プロレスはショービジネスとの疑いを持たれている。AKB48グループでも、毎年恒例の選抜総選挙の結果には、一部のファンから疑惑の目を向けられることもしばしば。

 同ドラマは、女子高生によるプロレスをテーマにしたドラマを、アイドルたちに演じさせる方法で、プロレスやアイドルが共通して受けてきた批判に対する答えを模索している。深読みがすぎるかもしれないが、そう読み取ることができるのではないだろうか。

 それにしても、アリゲート流司の「アイドルも一緒だろ?」という発言は奇妙だ。というのも、チェリー宮脇には、アイドルという設定はないので、このセリフは女子高生プロレスラーのチェリー宮脇ではなく、チェリー宮脇を演じる宮脇に投げかけられた言葉だ。このセリフの裏には制作側の態度が見て取れる。

 今回の試合は、チェリー宮脇とロングスピーチ横山(AKB48横山由依)の対戦カード。どちらも同じ錦糸町道場出身の選手で、チェリー宮脇は錦糸町道場を切り盛りしてきたウロボロス洋平の娘、そしてロングスピーチ横山はウロボロス洋平の一番弟子である。もともとチェリー宮脇はプロレス(と豆腐)が大嫌いで、反抗期真っ盛りでプロレスに対して否定的だったなか、同じ屋根の下でウロボロス洋平にプロレスを教わっていたのがロングスピーチ横山その人だった。

 同じ道場出身で一緒にやってきた仲間とはいえ、因縁も深い。「てか、お父さんとデキてたの?」「正直、おやっさんの顔はタイプやない」「旦那の顔、お父さんにそっくり!」「全然似てへん!」「一人二役レベルで似てるんだよ!」と、リング上で話している会話が面白い。

 ウロボロス洋平は、もし娘がプロレスをやるときになったらということを考え、「サクラスペシャル」という必殺技を娘のために考えていた。それを知っていた横山は、一番弟子の自分ではなく娘のために、というところに複雑な感情を抱く。この試合のために、横山は試合前に修行へ行き、「サクラスペシャル」を会得し、この技で決着をつけようとする。宮脇は、サクラスペシャルを喰らいダウン寸前まで追い込まれるものの、なんとかカウントを逃れると大きく叫び声を上げる。そして同じサクラスペシャルで横山を倒し、宮脇の勝利。

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