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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 中国人も憧れる『らんま1/2』
中国“ヤバい”漫画家・孫向文の「日本アニメ文化論」

「拳法の達人」なんていない!? 中国人も憧れる『らんま1/2』の世界観

■何気ないネーミングにセンスを感じる

 また、『らんま』の用語センスは、とても秀逸です。作中の中国人が語尾につける「~アル」とは、中国人のおかしな日本語を揶揄する際に日本の漫画ではよく使われる言葉だと知人から聞きました。また「シャンプー」「ムース」といった作中キャラの名称は、中国語の発音に非常に似ていますが、実際は整髪料の名称をもじったものであることを訪日後に知りました。

 数年前、とある在米中国人評論家が「外国人作家が描く中国のイメージは、実際の中国よりも海外のチャイナタウンに近い」という内容のコラムを書いていましたが、おそらく、作品を手がける時に観光地化されたチャイナタウンや古代中華文明を継承する台湾や香港をイメージしていること、中国が現実の国内情勢を伝えないため、作家たちは想像を膨らませて「理想の中国」を作り上げていることが要因でしょう。僕は中国が民主化して、『らんま』の中国のようなユニークな世界になることを願っています。

 日本で作られる中華料理のように、『らんま1/2』は日本人がアレンジした「和製中華」といえる作品です。『きまぐれオレンジ☆ロード』の鮎川まどかと同じく、天道あかねは少年時代の僕にとって憧れのヒロインでした。『らんま』以外にも日本の漫画やアニメには数々の魅力を持ったキャラが登場し、それらが日本のイメージアップにつながります。現在、漫画家として活動する僕は、かつて自身が憧れたような魅力的な女性キャラを生み出すべく、日々精進を重ねています。

「拳法の達人」なんていない!? 中国人も憧れる『らんま1/2』の世界観の画像2

●そん・こうぶん
中華人民共和国浙江省杭州市出身の31歳。中国の表現規制に反発するために執筆活動を続けるプロ漫画家。著書に、『中国のヤバい正体』『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)、『中国人による反中共論』(青林堂)、『中国が絶対に日本に勝てない理由』(扶桑社)がある。
<https://twitter.com/sun_koubun>

最終更新:2017/05/31 14:08
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