ホラー要素にアクション、人間ドラマありの新作CGアニメ映画『バイオハザード:ヴェンデッタ』スタッフインタビュー
――“シリーズ最恐のホラー作”かつ、最新技術を用いたフルCGアニメということで、ダイナミックなアクションにも期待がかかります。清水さんと辻本さんがそれぞれ力を入れた点はどのようなところでしょうか。
清水 先ほど辻本さんが言っていたように、“原点回帰”ということで「ホラー色を強くしたい」ということはお話をうかがっていたんですが、監督が辻本さんに決まった時点で「アクション寄りにしたほうが得策だ」という考えはありました。冒頭の洋館のシーンは僕もいろいろと意見を出したんですが、途中で「いらないんじゃないかな?」って思い始めた時期もありました(笑)。
辻本 そんなことない! そんなことないですよ(笑)。
清水崇エグゼクティブ・プロデューサー
清水 要所要所でなんらかの“怖さ”を秘めたものを出したいということだったんですが、『バイオ』は歴史ある作品なので、キャラクターを崩せないというところもあり、小林さんに「それはできません」と言われながら、いつの間にかキャラクター造形や、クリスやレオンの見たことのない一面、その2人が初めてタッグを組むにあたり、今作のヒロインであるレベッカはどういう立ち位置になるか? 敵役や脇どころの意味や重要性、ドラマ性など、脚本とディテールへの口出し役のようなことになっていました。
辻本 僕はホラーシーンでアドバイスをもらいつつ、清水さんの作品を観て、逆に「清水さんに(自分が)期待されていることってなんだろう」と考えました。最初の洋館から大学のシーンぐらいまでは絵コンテをチェックしてもらったので、僕なりの“清水さん色”を出せるよう務めましたね。ただ、「俺だってホラー描写できるんだぞ!」というところもやっぱりあるんです(笑)。ホラー描写はそういう意味も込めてやらせていただきました。
――ちなみに、その「俺だってできるんだ!」と一番力が入ったシーンは具体的にどのシーンでしょうか?
辻本 ラジコンカーのシーンです。アイデア自体は清水さんが出したんですよね。「子どものゾンビが出てくるのであれば、そこには子どものおもちゃがある」という話があって。
清水 まずは“気配”や“痕跡”でヤバさの恐怖を匂わせつつ……の表現で根幹に繋がるストーリーに入りたいと。
辻本 突然そのおもちゃが動き出すっていうのは深見さんが考えたのかな。そうしたら僕のなかでもイメージがわいてきて。ラジコンカーが突然動き出した後、意思を持ったかのように動き出して「これは誰かが操作している」と違和感を覚えたら、後ろで物音がして……みたいな。あのあたりが「俺でもできるんだ!」の世界ですね。
テレビの後ろにゾンビ少年がいて、彼が前に歩いてきたところでカメラが裏に回って顔をギリギリまで見せないとか、あの描写もなんとなく最初想定していたカット割りとは違ったんですが、「ギリギリまで引っ張る。これぐらいのタメがあっていいんですよね、清水さん」という感じで、意識しました。
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