伝説の女相場師は18歳! 枕営業も駆使する、仕手バトルマンガ『銭華』
#マンガ #コミック #ザオリク的マンガ読み
東京で大金をつかむ手段として千尋が選んだのは「株」。千尋は、カリスマ相場師・片山鉄造が率いる投資顧問会社「日本橋経済研究所」に就職します。そこで思い知らされるのが、投資の世界の汚れっぷり。投資顧問会社の仕事の実態は、しょせん株投資の電話営業。全国の強欲投資家に対し、嘘八百並べて金を吐き出させる詐欺稼業なのでした。
「顧問業も相場師も一番近いのは刑務所だね」
「俺達がやっている顧問業は出資法や証券取引法に完全に抵触しているんだ!」
「兜町では騙される方がマヌケなんだ。兜町というところは日本で唯一嘘が認められた社会なんだ!」
会社の先輩のありがたい教えの数々……正直、読者はドン引きします。やっぱり投資って、うっかり手を出すとだまされる運命なんですね。
しかし、千尋の目的は復讐です。相場師になるために、初めっからヨゴレ上等で東京に来ています。そんじょそこらのリーマンとは、カネに対するモチベーションが違うのです。
「女の体は武器になる!! この肉体(からだ)が通じるうちに勝負してやる!! 銭の華を咲かせてやる!!」
というわけで、師匠の片山をはじめ、ありとあらゆる業界人に枕営業を仕掛けては、投資の裏情報をゲットしていきます。最終的には片山をも敵に回して仕手戦に勝利し、5億円ゲット! 18歳にして、伝説の女相場師と呼ばれるようになります。女がビッグになるために枕営業は必須! 処女はできるだけ高く売る!! これは倉科作品に共通する哲学です。
「恐怖のふるい落としで提灯筋は全滅させてやる!!」
「これが片山鉄造得意の地獄の逆落としだ!」
などなど、一見すると格闘マンガの必殺技のようですが、違います。これらはすべて仕手戦の最中に出てくるセリフです。マネーゲームだって命懸けですから、セリフも自然と熱くなります。
そのほかにも提灯、受け皿、利食い、ネタ玉、ハメ込み、踏み上げ、場内クロス、売りぶつけ等々、普段聞いたこともない専門用語が山ほど出てきて、読んでいると自然に株に詳しくなれるため、これから投資を始めたい人の入門マンガとして最適! な気もしないでもないですが、一方で登場人物に詐欺師が多すぎて、投資に対して尻込みしてしまう可能性もある、そんな悩ましい作品です。
(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)
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