14年越しの快挙! 豪女性議員が国会議場での授乳の権利を勝ち取る
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安倍政権が最重要課題のひとつとして掲げている「女性活躍社会」。ところが、スイス・ジュネーブに本部を置く国際組織「列国議会同盟」が2016年に発表した「女性国会議員比率ランキング」では、日本の女性国会議員は全体の9.3%にとどまり、191カ国159位という惨憺たる地位に甘んじている。
そんな日本を尻目に同ランキング50位で、全議員の28.7%を女性が占めるオーストラリアの連邦議会の上院では、日本の国会では想像もできないような光景が繰り広げられた。
野党「オーストラリア緑の党」の女性議員で、同党の副総裁を務めるラリッサ・ウォーターズ氏(40歳)が、生後2カ月になる第2子、アリアちゃんを連れて登院。議会のさなかに授乳したのだった。この瞬間、アリアちゃんは、オーストラリアの連邦議会で初めて授乳された赤ん坊となった。
日本と比べ、大幅に女性の政界進出が進んでいる同国とはいえ、女性議員が議場で授乳の権利を得るまでには、長い闘争の歴史があった。
2003年には、同国ビクトリア州議会に、女性州議会議員が生後11日の女児を帯同。議場内で授乳をしようとしたところ、退場を命じられている。また09年には、同党所属の女性議員が2歳の娘を連れて連邦議会上院に出席。ところが、娘は母から引き離されて退場させられている。
しかし今回、ウォーターズ氏とアリアちゃんの行為に対しては、他党の議員からも「称賛に値する瞬間」との評価を受けており、同国議場内での授乳の権利が認められた格好となった。
この勝利の大きさについて、同国で育児経験のある日本人女性は話す。
「オーストラリアの社会では、もともと公衆の場での授乳に対し、日本以上に拒否感が強かった。レストランや映画館などで授乳していた女性が追い出されたり、通りすがりの人に授乳をやめるよう言われたりということも頻繁にありました。そんな国の国会議場内で授乳をしてみせたウォーターズ議員の行為には、胸のすく思いがします」
国会議員夫婦が2人そろって育休を取って物議を醸した挙げ句、夫はその間に不倫していたことが発覚して辞職する珍事が繰り広げられた日本も、見習うべきかもしれない。
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