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日刊サイゾー トップ > 社会  > 農作物“産地偽装”の深すぎる闇

「魚沼産」が生産量の30倍以上流通……農作物のネット販売に潜む“産地偽装”の深すぎる闇

「ウチは魚沼産なんか売ってない。滋賀県産だ。発送地の欄にちゃんと滋賀県と表示しているから。あくまで魚沼産と同等品」

 商品の発送地と品種は別のはずで、なんとも屁理屈のような回答だが、その「魚沼産と同等品」とする根拠を聞くと、こんな説明をした。

「同じぐらいの標高だもん。一緒ということで」

 論理はめちゃくちゃ。そして、ついにハッキリ「滋賀県産」と書かなかった理由を打ち明けた。

「地元で、インターネットで売っているってバレたら、カッコ悪いから……」

 客に対しいわれのない50万円を追加請求したことについても「言ってない。そんなことしてない」と否定していたが、メールなどで請求の記録に残っていることを指摘すると、「その人だけちゃうかな。50万円の話はその人だけだと思う」と妙な言い方で認め、さらに「買った客が精神異常者だった」とまで言いだした。

 まさにトンデモ業者としか言いようがないが、厳しい規制がないからか、そのまま同様の販売は継続。こうしたずさんな米販売については農林水産省・規格監視室も「特にネット販売の食品表示偽装は増えている実感があります」と答えた。

 ただ、購入者が実際に届いた商品に違和感を覚えるケースは全体の割合からいえば少数で、騙されたことに気付いていない消費者も多いという。

 魚沼産のコシヒカリを作っている新潟県魚沼市の農家に聞いたところ「魚沼の生産量の30倍以上の自称『魚沼産』が出回っている。魚沼の田んぼの数を見てみろよ、と言いたい」と言っていた。ブランド表示さえあれば妄信してしまう我々消費者側もきちんと判断することが必要ということか。
(文=藤堂香貴/NEWSIDER Tokyo)

最終更新:2017/05/18 16:19
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