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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.426

恐怖の向こう岸で待っているのは一体何なのか? シャマラン監督が導き出した回答『スプリット』

恐怖の向こう岸で待っているのは一体何なのか? シャマラン監督が導き出した回答『スプリット』の画像3ケイシー役のアニヤ・テイラー=ジョイ。デビュー作『ウィッチ』(日本では7月公開)が話題を呼んだ米国注目の若手女優。

 物語の後半、23人もの人格に分裂したケビンだけでなく、彼によって拉致されたケイシーも幼少期に体験した恐ろしいトラウマを抱えていることが明るみになっていく。ケイシーは偶発的にケビンに拉致されたのではなく、お互いに共鳴しあうようにして引き寄せられていたのだ。そして物語のラスト、ケイシーはケビンの中にいる24番目の人格とついに遭遇することになる。それはケイシーにとって、過去のトラウマさえも上回る最上級の恐怖だった。

 本作を最後まで見届け、ふと思い出したのはシャマラン監督のデビュー作『翼のない天使』(98)だ。幼い主人公が神さまを探し求める非ホラー系感動作『翼のない天使』の原題は「Wide awake」だった。監督デビューから19年の歳月を掛けてシャマラン監督が辿り着いた『スプリット』もまた、人類の大いなる目覚めが最後に待っている。恐怖を克服したケイシーは、長く苦しめられたトラウマから解放された自分がいることに気づく。
(文=長野辰次)

監督・脚本・製作/M・ナイト・シャマラン
出演/ジェームズ・マカヴォイ、アニヤ・テイラー=ジョイ、ベティ・バックリー、ヘイリー・ルー・リチャードソン、ジェシカ・スーラ
配給/東宝東和 5月12日(金)よりロードショー
(c)2017 UNIVERSAL STUDIOS.All Rights Reserved.
http://split-movie.jp

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