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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 『架空OL日記』夏帆の等身大の魅力
ドラマ評論家・成馬零一の「女優の花道」

清純派イメージを完全に払拭! 『架空OL日記』で夏帆が放つ、等身大の魅力

 
 その挑戦と努力に感心しつつも、夏帆が大人っぽい役を演じるたびに胸が切なくなった。美少女時代の自分自身を振り払おうとしているようで、見ていて痛々しく感じた。

 違和感がなくなったのは、是枝裕和の映画『海街diary』(15年)に出演して、高い評価を獲得したあたりからだろう。

 カンヌ映画祭に参加した時の画像が「劣化した」とネットで話題になったりもしたが、むしろ、この時期には美少女時代のイメージを完全に払拭したように感じ、安心した。

 今の夏帆は、どんな役でも違和感なく演じられる強い安定感がある。

『架空OL日記』の真紀ちゃんも、髪形がショートだというのもあるだろうが、すぐ隣に居てもおかしくない、普通のかわいい女の子である。
 
 あの頃の夏帆はもういない。しかし、普通のOLを演じる大人の夏帆は、当時とは違う親しみやすい等身大の魅力を放っている。
(文=成馬零一)

●なりま・れいいち
1976年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。

最終更新:2017/06/01 18:30
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