『子供に言えない動物のヤバい話』動物研究家・パンク町田が語る「ペットの犬を捨ててはいけない理由」
#本 #インタビュー
町田 根本的には、人間ですかね。他の動物に迷惑をかけすぎているから。僕がもしキリスト教徒だったら、神に頼んで、ほかの人間のために鞭に打たれるべきなのかもしれない。「父よ。彼らをお赦しください」「彼らは、何をしているのか自分でわからないのです」と言って。でも僕は、人間の代わりに鞭を打たれるのは嫌です。特定の人のためだったら構わないけれど、全人類は無理。やるんだったら、お前がやれよって言いたくなっちゃう。だけど、僕が代わりに罰を受けることで他の動物が救われるんだったら、自ら身体を差し出してもいいと思ってる。これは本当です。
──町田さんは、「アルティメット・アニマル・シティ」という施設も運営されています。町田さんから見て、オススメの動物園というものはあるのでしょうか?
町田 おおよその目安として、スタッフが若い動物園は、やる気がありますね。やる気があるし、みんな詳しい。「じゃあ、こうしよう」って、いろいろ工夫もする。いつまでも年を食った人がやっているところは、動物好きなんだろうけれど、「こうでなきゃダメなんだよ」って、昔ながらのやり方みたいなものがある。それが甲乙どう出るかはわからないけれど、園長が柔軟だと、新しいことに取り込めるんだと思いますね。オススメは……今だったら、宇都宮動物園のメスライオンが見たいですね。
──犬の訓練士としても活動されている町田さんですが、昨今、話題になっている、飼い犬を気軽に捨てたり処分したりという「ペット問題」について、ご意見を聞かせてください。
町田 まあ、簡単に言えば犬を捨てるというのは「間違い」で、人間が最期まで面倒を見てやるべきなんです。犬は家畜なんでね。家畜とは、人間がなんらかを意図して作った動物。だから、犬を捨てるのと、飼育していた野生動物を捨てるのとでは、重さが違う。馬にしても、牛にしても、豚にしてもね。本来、地球上にいなかった動物を人間が作り出して、それを野に放つというのは、やってはいけないこと。世間の人たちが犬や豚や牛を認知しているし、彼らがおとなしいから済んでいる話で。例えばこれはマンガやアニメに出てくるような、キ◯ガイの博士が作り出した怪獣の話と同じなんです。言葉はよくないけど、変な博士が作った動物を野に放しちゃダメでしょって。つまり他の動物から見れば人間自体がキ◯ガイなわけですから、人間が作り出した生き物なら、最期まで人間が管理を放棄してはいけない。そういうことですよ。
(取材=二木知宏[スクラップロゴス])
●パンク町田
1968年8月10日東京都生まれ。ULTIMATE ANIMAL CITY代表。昆虫から爬虫類、鳥類、猛獣といったありとあらゆる生物を扱える動物の専門家。野生動物の生態を探るため世界各国を巡り、各地の先住民族と生活を共にした。また、鷹狩りの世界にも造詣が深く、鷹道考究会理事、日本流鷹匠術鷹匠頭、日本鷹匠教会鷹師を兼任する。現在、代表を務めるULTIMATE ANIMAL CITYでは希少動物の繁殖にも取り組んでいる。著作、テレビ番組などへの出演多数。
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