トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > さんまを裸の王様にする番組演出
熱血!スポーツ野郎

コンセプトはよかったのに……NHK『明石家スポーツ』さんまを“裸の王様”にする、過剰な「接待」演出

 もうひとつが、さんまに対しての接待感だ。これは今回の『明石家スポーツ』に限らず、ここ数年、さんまがゲスト出演する番組でもたびたび見かけるもの。むやみに「お笑いモンスター」と持ち上げ、あおるのは、一体誰のためなのか?

 接待感の一例が、海外一流アスリート(今回でいえば、アメリカのフィギュアスケーター、グレイシー・ゴールド)から、さんまへのビデオレター。これ、さんまがうれしいだけで、視聴者的にはポカーンと置いてけぼりにされるばかり。演者や番組スタッフが、視聴者ではなくMCさんまを見てしまっているのだ。結果、それがさんまを「裸の王様」化しているように感じてならない。

 さんまのスポーツ知識に対して「すごい」「なんでそんなこと知ってるんですか?」と持ち上げるのではなく、「いやいやさんまさん、それ違いますよ」と切り返せる、さらなるスポーツマニアを配したっていいはずだ。

 今回の番組であれば、小宮山悟や前園真聖、織田信成といった元アスリートがその役割を担っていたのかもしれないが、「専門性を見せつけよう」という気概よりも、やはり「いかにMCさんまが気持ちよくしゃべれるか」に気持ちが向いていたように感じられた(そもそも、その役割を元アスリートに求めることが違うはずだ)。

 繰り返すが、さんまがスポーツのことをマニアックに語る、というコンセプト自体は間違っていない。実際、さんまのスポーツ知識・造詣の深さの一端を、今回の番組でも示すことができていた。第2回の放送があるのならば、その「マニアックさんま」を、もっともっと生かす布陣を期待したい。
(文=オグマナオト)

最終更新:2017/05/11 11:34
12
ページ上部へ戻る

配給映画