自宅を秘宝館にした空前絶後のトンデモ奇人! 「八潮秘宝館」オーナーの半生に迫る
#勝手にしらべ隊
――ジャンルにとらわれない人形への愛があるワケですね。
「このマネキン人形で写真を撮りだしたのですが、マネキンだとポーズの制約もありますから、次はやはりラブドールを買おうとお金をためました。購入する1年前から金剛寺ハルナという名前をつけて、三姉妹の話にするというのは決めていたんです。うちの爺さんが乗っていた戦艦が『金剛』と『榛名』だったから」
――『艦これ』よりも、ポッキー四姉妹よりも、ずっと前の時代ですね。
「それで30万円を握りしめてオリエントに買いにいったら、その瞬間に『ハルナ』っていうモデルが発売されるんです! ハルナって決めていてハルナを買うのも安直だなあと思ったけれど、やっぱり一番かわいくて。そのハルナとは、2008年に50人の来賓を集めて披露宴をやりました」
――ラブドールとの結婚式! しかもガチのやつだ!!
「いま一階に飾っているのは、全員ハルナ。ハルナ部隊。チームハルナですね。軍事医療ネタが好きで、第840特殊看護部隊という架空の設定を作っています。これは日本陸軍が作った人工生命体による、人体実験や拷問を専門にする部隊なんですよ」
――三姉妹っていうから、ポッキー四姉妹みたいな、ほのぼのとした設定かと思ったら……。
「実はスミレ部隊という別部隊(全4体)もあったのですが、これは遠征先での撮影中に盗難に遭ってしまい、全滅しました。知り合いに譲っていただいたりしてどうにか3体は補充したのですが、もう1体、136センチのシリコンの娘がどうしても欲しいんですよ」
――ではこれを読んで、譲ってもいいよという方は、兵頭さんまでご連絡を。
――最後になりますが、今後の野望なんてのはありますか?
「昔は写真集を自費で作ったりもしましたけれど、最近はそういうことに関する情熱がなくなっちゃったんですよ。実は4年前に脳出血を起こして、脳の仕組みが変わってしまったんです。たとえば足を見てください。前は毛がボーボーだったのに、すね毛がすっかりなくなりました。入院しているときに気がついたのですが、性欲・性衝動がなくなっているんです」
――男としての欲望が、なくなってしまったんですか!
「コルチゾールというホルモンが出せない。チンコもまったく動かない。退院して1カ月後に、勃起も何もしていないのに白濁液がドクドク出てきて、“ああ、これで私は終わったんだ”と思ったね」
――赤玉が出て終わるっていう都市伝説は聞いたことありますが、兵頭さんは白濁液だったと。
「そのあと薬をいっぱい飲んで戻りましたが、脳の仕組みが変わっているから、人の評価とかどうでもよくなったし、細かいことは全然気にならない。私は三途の川に何回か行っているんですよ。心臓発作とかで。 だから、もう自分のやりたいことをどう実現するかしか考えていないんですよ」
***
正直なところ、自宅を秘宝館にするくらいの人だから、どんなに扱いにくい変人さんなのかと不安でいっぱいだったのだが、兵頭さんは至って紳士的であり、とてもまじめな方に思えた。
普通の人からしたら特殊な趣味の人であることは間違いないだろうが、そんな兵頭さんを慕っている人はとても多く、この日も男女問わず、たくさんのクリエイターや美人アイドル、美大の学生などが訪れていたのが印象的だった。
(取材・文=鴨野橋太郎)
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