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週刊誌スクープ大賞

“本職”警察も絶賛する天海祐希主演『緊急取調室』のリアリティ

 まずは「暇ネタ」の最たるものから見てみよう。現代は、テレ朝の昼ドラ「やすらぎの郷」が注目を浴びていると、グラビアで出演者たちを紹介し、これを書いた倉本聰のインタビューを掲載している。

 主演は石坂浩二で。彼が実生活で結婚していた浅丘ルリ子と、やはり石坂と同棲していた加賀まりこが出演している。

 彼ら「年寄り」たちが入居している高級老人ホームには、八千草薫、有馬稲子、五月みどり、野際陽子、冨士眞奈美、風吹ジュンなども入居している。

 これほど豪華なメンツが集まっているのなら、私も入りたくなる。

 倉本ならではの豪華メンバーだが、倉本は「僕も出演者ももうすぐ死ぬ人間の集まりだから、怖いものがないんです」と語っている。

 加賀はやや衰えてきたが、浅丘は寅さんシリーズでも、場末の歌姫を好演していた。この人は、女の悲しみを背負って、それを見せない芯の強い役を演じたら右に出る者はいないのではないか。

 年取って見る影もなくなる女優は多いが、浅丘のように年輪を重ねるごとによくなっていく女優は、日本の芸能界では稀有な存在であろう。

 私は未見だが、明日からでも見てみようか。なんだか怖いが……。

 お次はポストの巻頭特集。人生の3分の1を占める「睡眠」が短命か長生きかを決めるという。

 寝不足でもいけないし、寝過ぎてもいけないそうだ。ではどこで線引きするかというと、7時間だそうだ。

 自慢ではないが、私の平均睡眠時間は7時間である。夜1時に寝て8時に起きる。どんな二日酔いでも、朝飯は必ず食う。

 たまに、9時間から10時間寝ることがある。年を取ると寝られなくなるといわれるが、おかげさまで、寝る気になれば丸一日だって寝ていられる。

 寝つきもすこぶるいい。それは睡眠導入剤「ハルシオン」を半錠飲んで寝ているからだが、ポストはハルシオンやマイスリーなどの薬は「超短時間型」で、服用から1時間未満で効果があらわれるが、持続時間が2~4時間と短い。睡眠の途中で起きてしまう人には不向きだと書いているが、私は、7時間ぐっすり寝られる。

 人それぞれで、年寄りを十把一絡げにしても、年寄りいろいろ、男も女もいろいろなのである。

 現代の巻頭特集も、私には、どうしてこのようなものを頭からやるのか理解に苦しむ。

「医者はコックと同じでそれぞれ違う」「うまい人、ヘタな人、ダメな人」「薬を使いたがる医者、手術をしたがる医者」「素晴らしい医者もいる」「患者の好き嫌いもあるし、コネで対応を変えることもある」「若い医者にも問題がある、ベテランがいいというワケではない」

 これは各章の見出しだが、当たり前のことを言っているに過ぎない。医者もいろいろ、患者もいろいろなのである。

 一つ言えることは、どんな医者に当たるのかは、人生と同じで「運」である。もちろんこの医者はダメだと思えば、セカンドオピニオンを求めればいいのだが、次にいい医者に当たる保証はない。

 後は自分の「運」を信じるしかないのではないか。医者は我々より優れているなどと思い込まないことだ。

 彼も人間我も人間。過ちも犯すし、たまには正しいこともする。そう割り切らなければ、人生やってられませんぞ。

 次も超暇ネタ。刑事ものや警察ものが小説でもテレビドラマでも花盛りだが、現代は、本物の刑事たちが、いまやっている「刑事ドラマ」を見て、おすすめをしようというのである。

 萩生田勝元警視庁警視、刑事部捜査二課管理官が、天海祐希主演の『緊急取調室』(テレ朝系)についてこういっている。

「人物設定が現実に近い印象を受けました。天海さんと同僚との会話や、取り調べの相手に対する物言いもリアリティがあります。実際にはドラマに登場する緊急事案対応取調班のような取り調べ専門の刑事はいませんが、それを抜きにしても、とても感心して見ています」

 現実の警察をそのままドラマにしても面白くはならないのだろうが、私が警察小説を読んでいて物足りないのは、人間関係やその人間のいる小さな組織の問題点は出てくるが、自白の強要、代用監獄、裁判員制度など、根本的な司法組織の暗闇に切り込む小説が少ないことだ。

 先日のベトナム少女殺人や、老人連続殺人の重要容疑者が自殺してしまったような、現実の事件のほうがより難しく、そういっては怒られるかもしれないが、興味をそそられる事件が多いと思う。

 多くの週刊誌は事件を扱わなくなってしまったが、事件取材は基本の基である。そうした中から、警察の巨悪を暴く人材が出てきてほしい。

 テレビドラマで事足りるとするのでは、なんのために編集者や記者になったのか。本題からそれて申し訳ないが、そう考えながらこの記事を読んだ。

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