橋本環奈ちゃんと結婚したくなる! 嵐・相葉雅紀主演『貴族探偵』推理マニア向け作品を映像化した意味
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嵐・相葉雅紀主演の月9『貴族探偵』(フジテレビ系)は、第3話も安定の面白さでした。いやー、面白いです。見ててよかった『貴族探偵』。
実は、昨年春あたりから毎クール月9のレビューを書くようになって、今年の春は『貴族探偵』だよ、ということで、初めて麻耶雄嵩さんの作品を読んだんです。
で、白状してしまえば、原作である『貴族探偵』および『貴族探偵対女探偵』(ともに集英社文庫)という小説は、あんまり好みじゃなかった。事件の謎と解決がすごく練られていることは伝わってきたし、何度か読み直して「うへー、そういうことかい!」と思わず虚空を見上げてしまうこともありましたが、とにかく作品に無駄がないんです。事件→推理→解決、それしかない。人物の背景や物語が、極限まで削ぎ落とされている。
例えば、第3話の出典元となった『貴族探偵』収録の「トリッチ・トラッチ・ポルカ」の書き出しを以下に引用してみます。
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事件の概要はこうである。
三月四日の日曜日の午前九時、東北地方の小都市・猪飼市の郊外にある廃倉庫から三十歳前後と思われる女性の死体が発見された。
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いきなりこれです。そしてこの後、延々と事件の概要、現在の捜査状況、容疑者のアリバイについてなどが説明されます。必要な情報しかありません。
これは明らかに「大地を震わす和太鼓の律動に、甲高く鋭い笛の音が重なり響いていた。」(『火花』又吉直樹/文藝春秋)といった書き出しの文学作品とは、一線を画す小説です。
麻耶さんは「太鼓と笛の音が確認された。」なんです。
そこからは、人物の顔や風景、匂いや痛みといったものが、まったく感じられない。登場人物全員が謎解きを構築するためだけに配置されて、結果、場面に出てくる誰のことも愛せない。文学というより、「謎解きの快感」だけに特化した、マニア向けの快楽装置といった風情です。
もちろん、そのどちらが価値があるとかないとか、そういう評価軸の話ではありません。商品の性質として、私たちのような一般人向けに開いていないということです。
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