「女は40歳になるとレオタードを着たくなるんです」【真珠子】絵描きから始まった“飽きないことを探す”人生
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真珠子 2000年に上京したんですけど、当時付き合ってた人から、突然「君は僕の器じゃ手に負えない」って言われて、「ええ~~~!?」って。それから「九州男児だいっきらい!!」って出てきましたね(笑)。それから、上京準備を始めました。
――安定した教職に未練は?
真珠子 なかったです。東京に行ってみたかったし、作家(画家)になりたかったから。上京して、初めてアルバイトもやってみたんですけど、本当に何も知らなくて「とりあえずOLさんみたいなのをやろう」って、受付嬢をしたんです。モデルルームに来るお客さんにコーヒー出したりするんですけど、ある日コーヒーマシンの使い方がわからなくて、ドバーーーーッと溢れさせたんです。私はそれを「わぁ、どうしよう~」「すごい溢れてるな~」って、ただひたすらじっと見ていて……。上司がそれを見て「この子ダメだ」って思ったみたいで、それから超怖くなって(笑)。ふとしたときに「今、あなた自分の世界に入ってましたね?」って言われたんですけど、私はそこで「え? 入ってちゃいけないんだ!」って、社会の常識みたいなものに初めて気付いたんですよ。そんなとき、桜の花を見ていて、「あ、私、気が狂うかもしれない」って。上京1年のことでした……。
――社会に出るって本当に難しいですよね。
真珠子 それからいろんな仕事をしました、化石の発掘とか……。
――……ん? 今なんて?
真珠子 化石の発掘現場で働いたんです。「都会に来てから土を触ってない」って気付いて「じゃあ掘ってみよう」って。普通に求人にあったので応募して、毎日つなぎを着て顔から蛇口みたいに汗を出しながら掘ってました。
――大変そうだけど、掘り起こしたときの達成感がありそうですね!
真珠子 それが、ひとつも出せませんでした……なんにも……。
――……。ええと、いろんなバイトをしながらも、絵を描く時間はありましたか?
真珠子 上京した年に「絶対友達と原宿でグループ展をやろう」って決めてたので、そのためにずっと描いてました。その展示は原宿のデザインフェスタギャラリーでできて、うれしかった~。それからずっと作りたかったアニメーションも作るようになったんですけど、パソコンも触ったことなかったから、すごく大変でした、人生は勉強だ~!
――以前は、あや野さん(ぐしゃ人間初代メンバー)と一緒に“てンぬイ”っていうユニットを組んで音楽活動もされてましたよね。最近はあまり活動が見られませんが、どうなったんでしょう?
真珠子 “てンぬイ”は、あや野ちゃんが育児中なので保留な感じです。(←2017年夏、てンぬイライブ復活します!)でも、私は昔からずっと弾き語りに憧れていたので、もう一度ピアノを習いに行こうかと思っていて……。昔はクラシックを習ってたけど、今度はジャズをやりたいんです。ジャズにはコードがあって、それさえ弾けばメロディは自分で歌えばいいって知って、「それは良い!」って(笑)。さっそく習いに行ったんですけど、もう、無茶苦茶難しくて!!
――そりゃそうですよ!
真珠子 冬ごもりして、毎日猛特訓して、一曲だけ弾けるようになったんです。うれしすぎてiPhoneで弾き語りを忘れないうちに録って、やっと「これ録れたからもういいか」って落ち着けた(笑。現在はキレイさっぱり忘れてます。)。それで、それをBar星男(新宿2丁目のアート&ミュージックバー)でたまたま隣に座った人に聴いてもらったんですよ。そしたら「ヤバいですね、あなた」「狂ってますね」って言われて……「あ、ありがとうございます」って。
――(爆笑)!!
真珠子 それから「僕CMソング作ってるから、ちょっと仕事お願いします」って言われて、この間ハウスラボっていう水漏れ修理の会社のCMを歌ったんです。女優の松下由樹さんが水漏れで困ってる後ろで、私が「ハウスラボ~♪」って歌ってるの。
――え!! そんなことってあるんですか!! (動画を検索して)……本当だ!! すごいけどなんか……不安になる曲ですね!?
真珠子 CMソングって、引っかかる声の方が印象に残るらしくて「あなたちょっと狂ってるから」って。冬ごもりして練習して良かったなぁ! やっぱり思った通りのことをするっていいんですねぇ~!
――いや、それにしてもすごすぎです。たまたまバーで隣にいた人に録音聴かせて「狂ってる」って理由でCMソング歌う人なんて、たぶん世界に一人だと思う……。CMで歌ったことで、人生に変化はありましたか?
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