消えた大阪ローカルドリンク「キューピット」を追え!
#スズキナオ #勝手にしらべ隊
大阪ならではのグルメを日々探し歩いている私のもとに「“キューピット”っていう大阪発祥の飲み物があるのを知ってますか?」という趣旨の連絡が舞い込んできた。「1970年代に一世を風靡したらしいのですが、今はほぼ絶滅状態らしいです!」という。
調べてみると、「キューピット」というのはカルピスの原液をコーラで割った飲み物らしく、確かに一時期は大阪の喫茶店の定番メニューだったようだ。いつしかメニューからその名は消えていき、いまや幻のドリンクとなった。事実、大阪の友人数名に「キューピットって知ってる?」と聞いてみたが、誰も知らなかった。
くじけずにさらに調べてみたところ、今でも「キューピット」を出している喫茶店が数軒存在することがわかった。というわけで、今回は大阪に現存する数少ない「キューピット」が飲めるお店を巡りつつ、最後は家でそれを再現してみることにした。手軽に作れるので、ぜひ読者のみなさんも試してみてほしい!
まずやってきたのは大阪・難波にある「Cafe Jump」。本棚にたくさんのマンガがストックされ、それをのんびり読みながらくつろげる、落ち着いた雰囲気の喫茶店だ。
メニューを見てみると、コーヒー、紅茶、レモンスカッシュなどの定番メニューに並んで「キューピット(コーラ+カルピス)」の文字が!
注文からほどなくして運ばれてきたのがこちら。
背の高いグラスの底のほうにカルピスが、上にはコーラが注がれており、輪切りのレモンが添えられている。白と茶色のツートンカラーがオシャレである。
「よくかき混ぜて飲んでください」というお店の方の指示に従って、ストローで底のカルピスとコーラを混ぜ合わせながら飲んでみる。
うむ、おいしい! カルピスとコーラを混ぜた味、というそのままの感じではあるのだが、想像していた味と少し違い、カルピスのまろやかさよりも酸味が際立っている。レモンの風味もそのフレッシュな酸味を後押ししていて、後味は非常にさっぱりしている。カルピスって、後に少しもったりした舌触りが残るものだけど、「キューピット」にはそれがなく、さわやかな飲み口になっている。散歩に疲れてこれを飲んだら、また歩く元気が湧いてきそうな回復系の味わいである。
伝票にも、もちろん「キューピット」の文字が。
お店の方に、いつ頃からあるメニューなのかと尋ねると、「30年前ぐらいですかねー」とのことだった。
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