
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.424
恋も青春もすべて終わったときに値打ちがわかる。ウディ・アレン至高の境地『カフェ・ソサエティ』
2017/04/27 17:00
#映画 #パンドラ映画館

ボビーは自分と結婚して、子育てに勤しむ妻ヴェロニカのことが嫌いになったわけではない。でも、妻や子どもを大切に扱えば扱うほど、青春期に出逢ったヴォニーのことが忘れられなくなってしまう。また、片想いで終わったヴォニーのことを心の中で想えば想うほど、自分の傍にいてくれるヴェロニカが愛おしく感じられてくる。『ミッドナイト・イン・パリ』は異なる時代の美女たちに振り回される男の喜劇だが、『カフェ・ソサエティ』は同じ時代を生きる2人のヴェロニカを愛してしまった男の悲劇だ。
結局、恋も青春もすべてが終わってしまったときに、初めてその価値が分かる。ボビーは自分の青春がすでに終わったことを痛感すると同時に、自分が本当に愛した女性は誰だったかを悟ることになる。81歳となるウディ・アレンが描くラブロマンスの閉幕は、とてもほろ苦く、そしてメレンゲ菓子のように甘くて切ない。
(文=長野辰次)

『カフェ・ソサエティ』
監督・脚本/ウディ・アレン 撮影/ヴィットリオ・ストラーロ
出演/ジェシー・アイゼンバーグ、クリステン・スチュワート、ブレイク・ライブラリー、スティーヴ・カレル、パーカー・ポージー
配給/ロングライド 5月5日(金)よりTOHOシネマズみゆき座ほか全国ロードショー
http://movie-cafesociety.com
(c)2016 GRAVIER PRODUCTIONS,INC
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