5日間の出張のはずが……ジャパニーズサラリーマンの悲哀を描く『僕らはみんな生きている』
#コミック #ザオリク的マンガ読み
さらに極悪なことに、中井戸は高橋のパスポートを盗み出します。大使館でパスポート再発行を試みる高橋に対し、現地の職員を買収して再発行を引き延ばすなど、徹底的に帰国を妨害。本気で高橋にタルキスタン駐在員を押し付けようとします。
着々と帰国不能な状態に追い込まれ、マラリアに感染して生死をさまよい、セーナに優しくされて情が移り……嫌がりながらも、次第にタルキスタンの生活に慣れ始める高橋。完全に永住パターンです。
ところが、軍事政権にクーデターが起こり、タルキスタンは一気に内戦状態へ。中井戸や高橋たち日本人はタルキスタンからの脱出を図ることになり、ゲリラが仕掛けたブービートラップだらけのジャングルを突き進むアドベンチャーマンガへ。
そして従順な現地妻だと思っていたセーナが、実は中井戸を利用して軍の情報を収集し、国家を転覆させるべく活動するゲリラのメンバーだったことも判明。ストーリーが急展開します。
登場人物たちの裏切りに次ぐ裏切り、後半に何回も来るどんでん返し的展開に翻弄される、典型的なジャパニーズサラリーマン高橋による最後の逆転劇とは――!
このマンガの魅力はズバリ、謎の女セーナのマタ・ハリもビックリな女スパイっぷりに尽きます。山本直樹先生による妖艶なイラストもバッチリハマっており、連載当時リアルタイムで読んでいた僕は、まるでエロマンガを読んでいるかのような錯覚に陥ったものです。山本先生の画ってなんでこう……エッチなんでしょうね。
というわけで、世界情勢が不安定になりつつある今だからこそ読んでおきたいマンガ『僕らはみんな生きている』を、ご紹介しました。みなさんも海外出張や旅行の際は、うっかりハニートラップにハマって、気がついたら現地の人に……なんてことにならないよう、くれぐれもお気をつけください。
(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)
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