“カリスマ美容師”多数輩出の人気美容室「HAIR DIMENSION」破産……最近は「ホストみたいで気色悪い」との評判も
“カリスマ美容師”を輩出したことで知られ、東京都内の青山や表参道などで展開していた美容室「HAIR DIMENSION(ヘアーディメンション)」の運営会社が破産した。負債額などは調査中。
同店は、1980年代のアイドル全盛期に松田聖子の「聖子ちゃんカット」を生み出し流行させたことで知られ、メディアでも大きく取り上げられた「カリスマ美容師」ブームの先駆けとして人気となり、押切もえや安座間美優といった人気モデルの利用も宣伝効果に一役買っていた。ただ、表参道界隈で働く別店の美容師によると「業界内では、ヘアディメは美容師の質がピンキリだと言われていた」という。
「カリスマブームで若い美容師の就職希望が急増したんですが、それが体育会系の体質を生んで、肌に合わない美容師は次々に辞めて独立していったんです。ハッキリ言えば、腕のいい美容師は長居していなかったから、やたら“元ヘアディメ”の美容師がいるんですよ。早い人は3カ月ぐらいで出て行ってましたから。そうなると、残る人って腕のいいボス猿みたいな人か、いつまでも腕の上がらないダメな人か、極端になりやすかったのでは?」(同)
独立する美容師が多いと、そのまま固定客を持っていかれるのがこの業界。一説には、10年以上前から客離れが顕著だったといわれる。その対策だったのだろうか、やたらとルックスのいい若い男性美容師をそろえていたこともあったという。
「いかにもルックス目当ての若い女性客を引っ張っていましたからね。ただ、体育会系でイケメン集合となれば、ホストみたいになってしまうので、客の中には『美容師がホストみたいで気色悪い』と離れていった人もいました。ウチの店にもヘアディメから乗り換えた客が『顔とか話術とかよくなくていいから、ちゃんと実力のある人に切ってほしくて』なんて言ってたんです」(同)
そのホスト路線については、ネット上でも賛否両論だった。というのも「美容師にナンパされた」「シャンプーしながら耳元に息を吹きかけて『気持ちいい?』って聞いてきた」といった話が続々と報告されていたことで、「接客中のナンパはアリかナシか」の議論が持ち上がったのである。
いろいろな意味で注目の的だった「HAIR DIMENSION」だが、近年は店舗の閉店が相次ぎ、実質的な活動は停止。その代名詞だった「カリスマ美容師」という呼び名も、近年は「むしろカッコ悪い」と言われるほどになっていた。これも時代の流れだろうか?
(文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)
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