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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.423

吉祥寺から消えた映画館から生まれた『PARKS』過ぎ去った記憶と現代とを音楽で結ぶという試み

吉祥寺から消えた映画館から生まれた『PARKS』過ぎ去った記憶と現代とを音楽で結ぶという試みの画像2純(橋本愛)の部屋に集まったトキオ(染谷将太)たちは、残された古い録音テープを再生することに。

 ゼミの課題になりそうな予感を感じた純は、ハルと一緒に佐知子の居場所を探し始める。やがて公園近くに暮らす佐知子の孫・トキオ(染谷将太)と2人は出逢う。佐知子はすでに亡くなっていたが、佐知子が持っていた古いオープンリールの録音テープが見つかったとトキオが知らせてきた。息を呑んでテープを再生すると、そこから流れてきたのはハルの父と佐知子が歌うオリジナルソングだった。劣化していたテープは途中で切れてしまうが、歌の続きが気になって仕方がない。純たちは自分たちの手で曲を完成させることで、かつての恋人たちの想いと現代とを繋ぎ合わせる作業に夢中になっていく。

 NHK朝ドラ『あまちゃん』(13)のアイドルデュオ“潮騒のメモリーズ”で大人気を博した橋本愛だが、10代の頃の物憂げな美少女から大人の女性へと変わりつつある彼女の等身大の姿が『PARKS』ではそのまま映し出される。緑の多い井の頭公園でのロケ撮影で、いつになく明るい表情を見せ、ギター演奏&歌声を披露している。演技力で定評のある染谷将太は今回は三枚目的な役どころ。純とハルと美女2人に挟まれて有頂天になるお調子者のトキオ役が楽しそうだ。園子温監督の『TOKYO TRIBE』(14)で挑戦したラップの腕前も久しぶりに見せてくれる。橋本愛も染谷将太も、古くて新しいハモニカ横丁の景観にとてもよく馴染んでいる。

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