ラブドールは“抜く”だけの道具じゃない! 都築響一が認めた「ラブドール写真家」の美学とは?
#勝手にしらべ隊
――SAKITANさんのラブドーラーとしてのこだわりを、サブカルの神様みたいな審査員たちがしっかりと受け止めてくれたんですね。
「自分が良いと思って撮影したものが評価されたのは、うれしかったですね。もともと自分で何か発信したいという願望があったので、これをきっかけに何か新しいことを始められるんじゃないかとホームページを立ち上げて、2013年夏のコミケで、ラブドールのデジタル写真集を初めて販売しました。そして今までにデジタルで3冊、紙の印刷物で1冊出しています」
――ラブドールの写真集って、今までにないジャンルだと思いますが、どんな方が買われるんですか?
「コミケで購入されたお客さんは男女半々くらいで、全年齢対象(乳首が出ていない)のものよりも、R-18のほうが買っていただけています。普通の写真集って、モデルに対してファンがいてこそ成立すると思うのですが、ラブドールなので、そこが難しいですね。たまに自分が持っているドールと同じ子をかわいく撮ってくれているからということで、買っていかれる方もいらっしゃいますが」
――それはまれですよね。
「どちらかといえばダムや廃墟の写真集に近いかもしれませんが、そこまで広く趣味として認知されているわけでもなく、エロといっても、ヌキのための本というわけでもない。たまたま知った人が、興味本位で買ってくれたという感じですかね。世の中にないジャンルの本なので、今後はどんなコンセプトで誰に向けてどう作っていくべきか、そこを考えるのがまた面白いんです」
――まさに、ラブドール写真集の開拓者ですね。そこまでラブドールにのめり込んだ理由は?
「等身大三次元立体造形の極み、ですよね。性行為という要素を抜きにしても勝負できるクオリティがすごい。人形の命は目だと思っていますが、シリコンラブドールは職人の手作業で丁寧に描かれています。 だから同じ型番でも、メイクさん次第でまつげの位置関係などが微妙に違うため、表情が全然違うんです!」
――そうなると、たくさん欲しくなっちゃいますよね。
「これまでトータルで18体くらい買っています。ボディとヘッドは別売りされているんですけど、今はボディが6体にヘッドが13個かな。ひとつのボディに対してヘッドを替えて楽しむことができるのが、ラブドールの魅力ですね。ちなみにヘッドは、カメラ用の防湿庫で大切に保管しています。並んでいる姿が、ちょっと怖いですけど」
――なるほど、ボディとヘッドを組み合わせられるのは楽しそうです。カメラマニアがレンズを交換するようなイメージでしょうか。でも、お高いんでしょう?
「私の所有してるモデルだと、ボディが40~60万円、ヘッドが10万円くらいと、決して安くはないです。海外製にも良いものがありますが、どうしても値段を安くするために品質やサポートが十分でない部分があり、メイクが薄くなったりした際に対処できないことがあります」
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