“禁酒法”時代の再来!?「アルコール健康障害対策推進室」の目的は税収増加か
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
さて今週の1位はポストの「飲酒規制が始まった」という特集にあげたい。まさに現代の「禁酒法」を厚労省が作ろうとしているというのである。
タバコについては、飲食店や公共の場所での喫煙を全面禁止する受動喫煙防止法案を3月にまとめていて、今国会で成立を目指している。
4月1日、厚労省内に「アルコール健康障害対策推進室」を新設したそうだ。
日本は酒の規制が少ない国なのだそうだ。そういえば、桜が咲けば酒、名月だといっては酒、めでたいといっては酒。いわれてみりゃそうだがね。
WHO(世界保健機関)では10年に「アルコールの有害な使用を減らすための世界戦略」を採決し、各国が取り組むべき酒害対策として、酒の安売り禁止、飲食店での飲み放題禁止、酒類の広告規制などをあげて、酒の値段の引き上げ、公共の場所での販売規制などが推奨されているというのだ。
すでに欧米をはじめ、シンガポールやインド、タイなどにも規制の動きが広がっていて、日本でも13年に「アルコール健康障害対策基本法」がまとめられている。
これは主として依存症対策だが、昨年5月に改正酒税法を成立させ、ディスカウント店に対して、過剰な酒の安売りの規制に乗り出しているというのである。
へぇ~、ちっとも知らなかった。ポストによると、テレビCMで、うまそうにゴクゴク飲みほすシーンは、アルコール依存症の人に苦痛を与えるとして、内閣府のアルコール健康障害対策関係者会議の指摘で、業界がその指導に従い、ゴクゴクの効果音は使用しない、のど元のアップはしないという自主規制をしているそうだ。
また、日本人の飲酒率は男が83.1%、女性が60.9%で約7,472万人。このうち健康被害が予想される問題飲酒の人間が1,353万人もいて、飲み過ぎによるけがや病気の治療にかかる医療費は年間1兆226億円と推計されている。飲酒による事故や労働損失を考えると、社会的損失は年間推定3兆947億円で、医療費との合計は年間4兆1,483億円にもなる。
アルコール飲料の国内市場は約3兆6,000億円だから、飲酒は経済効果より損失のほうは大きいそうである。
厚労省の官僚が、世界のほとんどの国では、公園やビーチなどの公共の場所での飲酒は禁止が常識だから、東京五輪に向けてアルコール規制の議論を本格化させ、自動販売機の全面禁止、屋外や公共施設での飲酒の規制、店での飲み放題の禁止などをしていくというのだ。
フランスは飲酒大国だったのに、現在は半分に減ったという。カナダでは、野球場でも酒の販売と飲酒が禁止になった。まるでこれでは、1920年から33年まで敷かれたアメリカの禁酒法のようではないか。
プロテスタントの間での禁酒運動の高まりと、巨大資本への不満を持つ国民の社会改変革運動が結びついて制定されたというが、これによって密造酒がつくられ、アル・カポネなどのマフィアの資金源になった。映画『アンタッチャブル』の世界だね。
禁酒法でわかったのは、どんなことをしても飲みたい奴は飲むということ。それを金儲けにしようという人間が必ず出てくるということである。
今回の場合は、国や厚労省が、医療費削減の大義名分でもって、酒への税金を大幅に上げて税収を増やそうという魂胆が見え見えだ。
この国は「酒なくてなんの己が桜かな」である。それに日本酒という世界に誇れる銘酒を作り出した国である。お上が禁酒令など出したら、暴動がおこるぜ。悪いことはいわねぇ、よしといたほうがいい。
さ、これを書き終わったら、一杯飲みに行くとしようか。
【巻末付録】
ポストは「今でもアイドル気分!」で、早見優、松本伊代、森口博子の三ババ(失礼)の色っぽくもなんともないグラビア。
後半は「ぜーんぶ本物の自宅です 家でヌードを撮ってイイですか?」。人気AV女優9人が全裸で自宅を紹介するという趣向だが、労多くして……という感じ。
袋とじは「見たくありませんか? この女のセックス」で、いおりさん、25歳。後は女のスカートの中を覗く猫がいて「猫になりたい。」。グラドルたちの自画撮り。それと橋本マナミの「私生活」
現代は後半だけで「観月ありさ」。もちろんヘアなし。「『アパ不倫』グラドルがヌードで告白 青山真麻」。私を抱いたのは袴田吉彦さんだけじゃありませんとあるから、浮気性なのかね、この子は。
袋とじは「門外不出 傑作『ブルーフィルム』無修正画像を公開する!」。懐かしいね。編集部で温泉に行くと、誰かがこういうのを持っていて、映写会をやって見たものだ。なかなかいいもんだったけどね。こういうのが見られるネットはないのかね。探してみよう。
というわけで今週は両誌ともパンチ力はいまいち。で、引き分けにする。
(文=元木昌彦)
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