『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』第2話 人生のリセットの仕方がどうにも分かりません!
#テレビ東京 #どらまっ子 #長野辰次 #SRサイタマノラッパー
大間崎の観光ガイドとして、おばちゃんたちを相手にマメマメしく働くMIGHTY 。実家でのほほんと暮らしているIKKUに比べ、確実に苦労人だ。そんなMIGHTYを口説くよりも、食欲が勝るIKKU。同じくテレビ東京系の深夜ドラマ『孤独のグルメ』の視聴者を取り込もうという狙いなのか、第1話の「二色丼」に続いてIKKUの食レポシーンが描かれる。マグロの“ノド”は一匹からひとつしか取れない貴重な部位。そんなレア肉を2本続けて喰うIKKU。所持金の残高を気にして、せっかくのマグロ料理を楽しめないTOM。そこへまた例のトラック運転手(皆川猿時)が現われ、「メシを食うときはサングラスぐらい外せ」と至極まっとうな正論で説教を垂れる。『孤独のグルメ』の主人公・井之頭五郎なら「モノを食べるときはね、誰にも邪魔されず、自由で何というか救われてなきゃダメなんだ」と助け舟を出すところだが、横にいるTOMはペコペコと頭を下げるばかり。でぶラッパー 負けるな一茶 ここにあり。『マイクの細道』ということで、つい一句詠んでしまいました。
気分直しに港で即興ラップに興じるIKKUとTOM。海沿いを歩く2人と並行してカメラがドリー移動する前半の決めシーンだ。
IKKU「埼玉から青森経由 すべての道はドリームに通じている 周回遅れからの集大成。グンググーンとまだ伸びたいぜ。ショーグン、ショーグン♪」
カモメが舞う本州最北端の岬で、津軽海峡に向かってコール&レスポンスを求めるIKKUとTOM。海のない埼玉育ちの2人にとって、今回のみちのく旅が特別な意味を持つことを感じさせる名シーンとなっている。
日が暮れてIKKUとTOMがトーコの自宅に戻ると、トーコと咲子は親子ゲンカの真っ最中。スナックの常連客・マキノ(杉村蝉之介)と結婚して、スナックを継ぐことを母親から一方的に決められているトーコだが、「あんなヤツと結婚するより風俗で働くほうがまし」と捨て台詞を吐く。二階堂ふみ似のちょい小生意気なトーコが勤める風俗店!! お店で働くことになったら、ぜひ店名を教えてほしい。
娘の抵抗に遭い、気が立っている咲子に頭を下げて「もう一晩泊めてください」と頼み込むIKKUとTOM。2人はどこまでも情けない。宿泊費代わりにIKKUたちはスナックのボーイを勤めることに。現在はガールズバーで、かつてはおっぱいパブで働いていたこともあるTOMは妙にボーイ姿が似合い、逆に物哀しさを感じさせる。マキノたちスナックの客に煽られて、店内でラップをやらせられるIKKUとTOM。魂のリリックを放つはずの2人のラップが、場末のスナックに出てくる薄い焼酎のお湯割りのようにうらぶれたものへと墜ちていく。「はたらけどはたらけど わが生活楽にならざり ぢっと手を見る」と詩を詠んだ石川啄木は青森県のお隣・岩手県の出身だ。ちなみに大間崎には石川啄木の歌碑がある。26歳という短い生涯を金欠と職探しで悩み続けた明治時代の有名詩人と平成時代を生きる無名ラッパーとの哀しみがテレビ画面でクロスする。
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