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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『孤独のグルメ』第1話レビュー

『孤独のグルメ Season6』第1話 スカした東京人どもの胃袋の常識を変えてやる!? お好み焼きは、ごはんのおかず

 さんざん食べて今日も終了かと思いきや「さて、もうひと仕事」と言いだすゴローちゃん。満腹かつ、ソースのにおいをコートに染みこませて商談に向かうのも平気なのが素敵です。

 で、2軒目の商談は町場のパーマ屋さん。個人経営なのに、なんとクライアントの幅の広いことか。小商いでも、わざわざ出張してきてくれるフットワークの軽さが信用なのでしょうか。

 商談を終えて「さあ東京に戻るか」とつぶやくゴローちゃん(日帰り?)。だが、その目に飛び込んで来たのは「串カツ、どて焼き」と書かれた屋台。「やり残していることがあった」と、当たり前のように足は動き出すのです。

 そしてCM明けは、油のはじける音から。

「串カツのウスターソースは、大阪人の血液だ」

 屋台なのに具材が多いという大阪ならではの光景に、もはやゴローちゃんの胃袋はブラックホールとなります。

 ヒレ肉ならぬヘレ肉、ニラ巻き。紅生姜。紅生姜の揚げたのが、ソースに合うという新発見に、さらにゴローちゃんが加速するのは当然です。

 そして、ここで挿入されるのが飲み物のセレクト。

「ここはウーロン茶じゃないな、油ものには炭酸だ」

 飲み物は店ではなく傍の自販機で買ってくれという、屋台ならではのスタイル。サイダーを流し込めば、さらに新たなステージへ。どて焼きは、2本注文。入ってきた親子連れ……じゃなくて、元阪神の下柳剛に引きずられるように、コンニャクも。

「なんだか、初めて大阪の懐に潜り込めた気がする」

と、感動は無限の食欲へと続くのでありました……。

 初回から炭水化物でトライアスロンと思いきや、まさかの延長戦まで完走した第1話。

 ますます盛んな松重ゴローの胃袋は、深夜の飯テロどころか、核弾頭のごとく視聴者に攻め込んできます。21世紀になり、少しは知れ渡った感もありますが、まだまだ東京では、お好み焼きをおかずにご飯というのは、奇人扱いされているフシがありました。でも、このトライアスロンによって、「お好み焼きには、ご飯と味噌汁」は、もはや常識になるのではないでしょうか。

 お好み焼きは、間違いなくご飯のおかずです。

 毎朝毎晩、お経のように唱えて実践し、この常識を普及させてほしいものです。
(文=昼間たかし)

最終更新:2017/04/14 17:43
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