ディズニー映画に隠されたメッセージを徹底解明! 見方がガラリと変わる『暗黒ディズニー入門』
2017/04/11 22:30
#本
本書には、以下のように書かれている。「ダンボは自らの奇形・短所を飛翔するための(文字通り)翼へと変えてしまいます。細かい差異を取り上げて『奇形だ』『変人だ』『我々とは違う』などと言い募る世間に迎合して『ノーマル』になる必要などない、『ダンボ』は高らかに謳いあげます」。そもそも、『ダンボ』とは英語でまぬけ、といった意味合いだし、劇中に登場する5匹のカラスは、黒人をイメージしているとされている。
一方で、同作品はそういった差別や偏見を受けたために、自分を変えるといった話ではなく、自分らしくあることで、世間の視線を変える物語として着地している。
『メリーポピンズ』、実写映画の『トゥモローランド』と続き、最後にはディズニーの本丸、ディズニーランドを徹底検証。「暗黒ディズニー」と銘打っているものの、単にディズニーを批判している書籍ではない。むろん、妄信的にディズニーを賛美する書籍でもない。歴史的な背景や、ディズニーが与えた文化的な影響を深く、それでいてわかりやすく解説しており、まさに入門書といえる一冊だろう。ディズニー好きはもちろん、そうではない人にも、ぜひともおすすめしたい。
(文=二木知宏[スクラップロゴス])
最終更新:2017/04/11 22:30
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